COP10(平成22年10月26日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

10月25日、ありもとは理事長とともに、名古屋に赴きまし
た。
COP−10開催地である名古屋国際会議場に隣接する名
古屋学院大学名古屋キャンパス白鳥学舎で開催された
「ユネスコ 未来遺産運動と自然再生」において事例発表
を行うことが目的でした。

ちっぽけな取り組みとはいえ、孟子不動谷の地で、生物多
様性保全を行っている身として、COP−10本会議場のフ
ォーラムゾーンで、10分間とはいえ喋る機会を得ることが
できたことは、大きな財産になったものと思います。

翌10月26日、「ユネスコ 未来遺産運動と自然再生」の
エスクカレーションとして、ユネスコ未来遺産指定の多様性
保全の仲間である、いきもの不思議の国・中池見湿地(福
井県敦賀市)、久保川イーハトーブ世界自然再生事業(岩
手県一関市)の面々が孟子不動谷に来場されることにな
っています。
10時にJR和歌山駅にお迎えに行くということで、朝6:30
「下見」の目的で孟子に行きました。

カケスが相変わらず叫び声をあげています。
天堤池では、美しい羽衣に身を包んだオシドリが泳いでい
ます。
今日お迎えする方々はみんな北国からのお客様なので、
和歌山のできる限り「南起源」の動植物をお見せできれば
と思っています。

一番の「スター」は、近畿地方特産のトンボ・ナニワトンボ
で、25日に再会した東京大学・須田先生にも「ぜひ!」と
言われているのですが、朝から時雨模様の天気に、黄信
号がともっています。

そんな中、ごく普通種ですが、南起源の昆虫を見つけました。

先日いちいがしの会の来訪を受けた時、後藤岳志先生の
御子息が見つけた、クロコノマチョウの蛹が羽化しています。
和歌山ではもうごく普通種で、孟子でもしっかり越冬している
のですが、福井や岩手ではまだ、そんなに定着していないこ
とでしょう。

普通種とはいえ、なんとか「お土産」ができそうです。

岩出町のレンタカーショップでバスをレンタルして、そのまま
国道24号線を走り、JR和歌山駅を目指します。

10時に到着したJR和歌山駅東口には、皆さん勢ぞろいして
おられます。
中池見の方々、久保川の方々、水ネット東北の方々に加え
て、和歌山大学の原先生、和歌山NPOセンターの高橋さん
の顔も見えます。
総勢15名
和歌山の旅が開始されました。

紀州藩55万5千石の和歌山城のまわりを一回りしたあと、
総面積47ha、近畿最大の干潟・和歌浦干潟を窓の外に見
ていただき、海南市わんぱく公園に到着です。

わんぱく公園にもナニワトンボは多産しているのですが、ど
んどん雨雲が湧き、北風が吹く天気に、全く出てくる気配は
ありません。
公園に展示しているナニワトンボの標本を恨めしそうに眺
める東京大学の須田先生と桶田さんには、本当に申し訳な
いのですが、この天候では致し方ありません。
カワウのコロニー効果で産するアカマダラコガネや、東日本
では珍しい長翅タイプのヒメギスの♀、それに熱帯性の昆虫
タイワントビナナフシの標本に、とても喜んでいただいて、少
しはほっとしました。
また、すいれんの谷に多産する食虫植物・コモウセンゴケも
久保川にも中池見にも分布していないということで、なんとか
唯一「生物(なまもの)」を喜んでもらえました。

ガーデンレストラン・シャンボールで昼食を取ったあと、今や
全国区になっているわかやま電鉄貴志川線の終点・貴志駅
に赴き「タマちゃん」と対面していただきました。
カワイイ(?)三毛猫のタマちゃんに女性陣は大喜び!!

その後、貴志川町神戸平池に向かいます。
ここには希少水草であるオオミクリ、オニバスが自生してい
ます。
須田先生が水草が大好きということで、急きょ訪問することに
したのです。
オオミクリは和歌山県ではここらあたりでしか記録のない貴
重種で、須田先生も大喜びです。

残念ながらオニバスは終わってしまっていましたが、オオミク
リが多数大きな実を付けていたので、本当に良かったです。
大きな果実が数個ついた花柄を1本、お土産に差し上げて、
一路・孟子不動谷を目指します。

孟子不動谷入口では、和歌山大学・中島敦司教授がお出迎
えです。
なごやかに談笑しながら、参道を歩き、途中ジュズダマにクロ
コノマチョウの食痕を見つけて蛹探しをしたりしながら、山案
山子テラスに到着です。

ログハウスの中で、里山文化や多様性について、それぞれの
フィールドのとっておきの話を披露しあい、和やかなエスクカレ
ーションとなりました。

今年は生物多様性年です。
そんな年に、日本ユネスコのおかげで、COP10の会場の雰
囲気を肌せ感じることができ、また、かけがえのない仲間たち
と、孟子をはじめ和歌山北部の地で、エスクカレーションの経
験もでき、本当に有意義な2日間でした。

今後も、たゆまぬ精進をし、孟子の多様性を保全してゆかね
ばならないと、再認識した2日間でもありました。
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<孟子鳥類>
カイツブリ、アオサギ、オシドリ、トビ、キジバト、カワセミ
コゲラ、アオゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ
ヒヨドリ、モズ、キビタキ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ヤマ
ガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル
シメ、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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