那賀寺護摩焚きの日(平成23年1月3日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

本日は孟子不動那賀寺護摩焚きの日です。
遠路はるばる関東から、那賀寺の住職さんが来られて護摩
焚きを行う日です。
現在建造中の釣鐘堂は若干進捗が遅れ、4月28日に初披
露となりましたが、例年多数の初詣客でにぎわいます。

8時、孟子不動谷到着です。
この時間から入口の駐車場には4台の乗用車が止まってい
ます。流石「護摩焚きの日」、朝早くから盛況です。

入口の水田には雪でも降ったように深い霜が下りています。

年明けにかぶせていた網が取られた森さん宅の庭のピラカ
ンサスに、イソヒヨドリ♂とツグミが来ています。

水路道を歩きます。
歩いていると、対岸に走る参道を行く人々の声が響いてきま
す。
新年の挨拶を交わし合う参詣客の声に交じって、マヒワの群
れの飛び交う声がしてきます。
ギュィーン ギュィーン・・・
今年はマヒワが平地に結構残っています。
元日にはわんぱく公園でも見かけましたし、鳥仲間の情報に
よると煙樹ケ浜でも和歌山市丘公園でも越冬しているようです。
山地性の小鳥なので、孟子では例年は旅鳥なのですが、今年
は越冬しています。

これが「ぶどう櫨」か?と思うほどに大きな果実をつけるハゼ
の樹に、♀のジョウビタキが来ています。
ジョウビタキの♀をじゅっくり観察するのは、今冬初めてです。
わんぱく公園にもジョウビタキは来ていますが、すべて♂です。
♂の方が美しいのでそれはそれで有り難いのですが、シック
な装いの♀も決して嫌いではないので、出会えないと寂しいな
と思っていたので、とても嬉しいです。
「喉につっかえるなよ!」
そう声をかけたくなるほどの大きな果実を、サクッ、サクッとの
みこんでいます。

今朝は実恵子さんが2日から風邪ひきで寝込んでいるというこ
とで、理事長と二人で参詣者に挨拶をします。
やってくると谷中に声が響き渡るほどに賑やかな実恵子さんが
来ないのはとても寂しいですが、体調を崩しているのですから
仕方がありません。

しばらく参詣者にご挨拶をしたあと、ありもとは移植ゴテとポリ
袋を持って、「七草摘み」に向かいます。

1月8日(土)13時より、わんぱく公園で七草粥の試食会を行う
ので、それに炊き込み用の七草を採取するのです。
「すずな(カブラ)」「すずしろ(大根)」は、例年通り和歌山県立自
然博物館から頂くとして、残りの5種の草を孟子で集めます。

丸嶋水田に、ようやく多数の仏の座(コオニタビラコ)が生え出し
ました。
稲作を始めた当初は、湿気が多すぎるのか、タネツケバナばか
りだったのですが、今年は型の良い仏の座がどっさり生えてい
ます。
このキク科の植物は、典型的な水田雑草で、水田の中にしか自
生していません。「稲作」という作業のサイクルに、その生活様式
を完璧に順応させて進化してきた草本なのでしょう。
この水田雑草の典型種が、しっかり根付いて来たということは、
丸嶋水田も漸く「一人前の」水田になってきたということができる
のかもしれません。
何の変哲もない雑草ですが、この1種の雑草を見るだけでも、稲
作文化について触れることができます。

延命地蔵そばのクリ畑にははこべら(ハコベ)がどっさり出ていま
す。このナデシコ科の草本は、畑地を指標する草本です。
葉の縁が波打っている一回り大きなウシハコベも混成しています
が、やはり粥に炊きこむのはハコベ(ミドリハコベ)です。

水田のあぜの、踏固められて乾いた地面は、ナズナのハビタット
です。最近冬が暖かいので、すでに花柄を伸ばし、開花した株も
結構見られます。
昔日、このナズナこそが「七草粥」の主役であり、正月七草の日
(1月7日)に「なずな粥」を炊く風習が残っている地方もあるほど
です。

クランク状の参道付近の、湿気た休耕田には、セリがどっさり生
えています。
この草本は、日本古来のハーブとして、スーパーマーケットなど
で市販されているのでご存知の方も多いでしょう。

最後に残ったのが御形(ははこぐさ)です。
この草本も水田まわりでは水田周辺でしか基本見られません。
それも溝に綺麗に「泥塗り」をしている部分に多く生えています。
入口の水田を耕す農家の方は、とても熱心に稲作を行っていて、
溝の泥塗もほんとうに念入りに行っているので、御形も多く生えて
います。

この「七草粥」の風習は、本当に稲作文化とマッチした風習です。
まず七草を集めるという作業から、「しっかりとした稲作」が行われ
ていないと、できないのです。
水田環境のパーツが1つでも欠けると、七草の種類も欠けるので
す。

今年鳥取県や鹿児島県で、ハクチョウやツルが鳥インフルエンザ
に発症したと騒がれていますが、七草の風習は大陸から疫病をも
たらす「唐土の鳥」を追い払う神事であることから、「鳥インフルエ
ンザ」というのは、今に始まった疫病でないこともわかります。

このような「稲作文化」とそれに使う草本が水田まわりにきちんと
生えていることを確認しつつ行う「七草摘み」自体も、今では立派
な「水田まわりの生物多様性モニタリング」の一環ということがで
きるのです。

来年度で最終年となる「未来遺産調査」に、来年1月のメニュー
で「七草摘み」を入れようと思いました。

本日をもって、孟子不動谷の「新年」が明けました。

毎年恒例のありもとの「おみくじ」は、「吉」でした。。
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<鳥類>
カイツブリ、アオサギ、コゲラ、アオゲラ、キセキレイ、セグロセキ
レイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、ルリビタキ、ジョウビタ
キ、シロハラ、ツグミ、イソヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ
シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カシラダカ、マヒ
ワ、カワラヒワ、ウソ、イカル、シメ、スズメ、カケス、ハシボソガラ
ス、ハシブトガラス
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