定額給付金の支給が各知事の自治体で始まっているが、関西のNPO関係者は3月27日、大阪市福島区にあるNPOプラザで記者会見を行い、インターネット上に「定額給付金をNPOに寄付を!」と呼び掛けるサイトを開設したことを発表した。
このサイトは、大阪・兵庫などを中心とする関西地域で活動しているNPO関係者で構成されている、「定額給付金をNPOへの寄付に(KNPO)関西ネットワーク」が管理運営しているもの。
寄付を受け付ける市民型ファンドと、寄付に関する相談を受け付けるNPOの相談機関のリストを作成、給付金を社会的に意義のある活動に使ってほしいという人々に、
「NPOへの寄付を選択肢のひとつとしてもらうこと」を促進するのが狙いという。
現在、サイトには、市民型ファンド10、相談を受け付けるNPOの相談機関14がリストアップされている。
リストされている団体へは、サイトからリンクがはられており、リンク先で具体的な寄付の方法や寄付についての相談の受け方などが記されている。
午後4時から始まった記者会見では、寄付に関する相談を受け付けるNPOのひとつ、大阪ボランティア協会の早瀬昇事務局長が司会を行い、まず関西ネットワークの代表、柏木宏大阪市立大学大学院教授がサイト開設の目的な経緯を説明した。
続いて、堺市を中心にNPOへの助成活動を行っている街づくり夢基金の阪野修理事が泉南地域の3つの食事プログラムの資金のため定額給付金を寄付として集める活動を行うことを紹介。
寄付の方法などの相談にのる機関からは、約300の会員団体をもつ大阪NPOセンターの堀野亘求事務局職員、28の会員組織によって構成される関西NGO協議会の榛木恵子事務局長が、それぞれ会員団体とのネットワークなどを生かし、寄付者の個別のニーズに応じた相談に応じていく考えを示した。
最後に、サイトの制作を行ったソーシャル・デザイン・ファンドの金森康代表理事がサイトの利用方法などを説明した。
定額給付金に関しては、バラマキ、選挙対策などの批判も聞かれる。この点について、記者会見に出席したしみん基金・KOBEの江口聰事務局長は、「税金で社会問題を解決する責任が政府にあるが、その責任を放棄したような施策ともいえるが、既に実行段階に入っており、NPOが社会問題に対応していくための資金に活用していきたいと考えた」と述べ、NPOの立場を明確にしたうえでの寄付推奨活動であると説明した。
サイトのURLは、https://www.voluntary.jp/knpo/。
また、サイトへの問い合わせは、電話06-6465-8391(大阪ボランティア協会)まで。