Weekly Report #1 「反響と運動の広がり」

ウエブサイトの開設を広報するための記者会見を開いて、早1週間。
 多少見切り発車のところもあったのですが、次のような反響や運動の広がりを感じさせる動きがでてきているので、ご紹介したいと思います。

1) 応援メール
ウエブサイトの開設に合わせ、専用のメールアドレスを作りました。外部の方々からのご意見やご質問などを受けるためのものです。その第一号が記者会見の翌日、3月28日に届きました。

「みなさまの志は立派だと思います。しかし、私もギリギリの生活なので寄付は難しいです。最近の日本はどこかおかしいと思います。現役労働者がいきなり契約を切られ寒空に放り出されるなんて考えられませんね」
というものです。

 「ギリギリの生活なので寄付は難しい」という方は、もちろん「生活支援」定額給付金ですので、受け取られたらよいと思います。KNPOの活動は、「現役労働者がいきなり契約を切られ寒空に放り出されるなんて考えられませんね」というような問題に対して、定額給付金を役立てる方策の一つとして、「NPOへの寄付」を呼びかけたものです。

その意味で、「ギリギリの生活」の方からご意見をいただけたのはうれしいことです。

2) 運動への提言
 KNPOの呼びかけ人のひとり、大阪ボランティア協会の早瀬さんに、大阪で活動するDV被害者のシェルターのスタッフから次のような意見が寄せられたそうです。

「DV夫から逃げている妻や子どもは、住民票を移すわけにもいかず、定額給付金を受け取れず、本人のための給付金(子どもは2万円!)はDV夫のもとに届いてしまう。
経済的に苦境にある妻や子どもたちにこそ、給付金を役立てたいが、今の仕組みでは適わない。そんな時、今回の記事を見た。定額給付金を役立てたいという人がいたら、DV被害者のシェルターがあり、そこで給付金の仕組みから取り残される妻と子どもたちを支えていることを、寄付をしようという方に伝えてほしい。
DVホットラインの電話番号と、郵便振替番号は公開できるので、事情を理解して下さる方がいらっしゃったら、紹介してほしい」

早瀬さんは、この意見に対して、「今回の取り組みを通して、現場で苦労されている方の声を直接、聞けたことは良かったと思います。この種の取り組みは各地であるでしょうが、皆さんの近くでも同種の取り組みをされている団体の紹介も考慮してほしいな…と思って、報告します」といわれています。

なお、この団体は「いくの学園を支える会」で、
DVホットラインの番号は090-9629-4847
郵便振替番号は00990-3-68635

です。

早瀬さんがいわれるように、現場の声が伝わってきたことは意義あることでしょう。
できれば、DVのような女性団体、あるいは定額給付金を受け取れないが、経済的な問題などがある人々をクライアントにしているNPOが集まって緊急のファンドを作るなり、既存の市民型ファンドがそのための基金を作り、定額給付金を寄付として募金するように呼びかけるなどの行動につながっていってくれればいいと思っています。
KNPOに参加している街づくり夢基金が配食プログラムに特化して定額給付金からの寄付集めをしているのと同様な考えです。

3) 運動の体制の整備と広がり
 KNPOのサイトは、3月28日の記者会見にあわせて突貫工事で制作し(といっても、ソーシャル・デザイン・ファンドの金森さんに丸投げした形ですが)、公開しました。
このため、一部の市民型ファンドや中間支援組織は、KNPOのサイトとリンクが十分できていない状態でした。まだ、すべてのリンクが整っているわけではないのですが、ほぼできあがりました。

 先に紹介した「いくの学園を支える会」のDV被害者の例もKNPOの運動の広がりを感じさせるものですが、記者会見の時点ではコンタクトがとれていなかった団体からも問い合わせなどが入っています。そのひとつ、京都の「ドネーションショップわかちあい」の立川さき代表理事は、次のように述べておられます。

「定額給付金は当初「もっと有効な使い方がある」といった反対の声が多かったですが、支給が決まってしまって「もらえるものなら助かる、ありがたい」という空気になっているように思います。おかしいと思いながらそこに流されたくない、というわけで、この機会に「困った時はお互い様」という呼びかけをしています。給付金を有効に役立てようという気持ちを形にし、つないでいきたいと思っています」

 立川さんたちの活動は、中日新聞に掲載(※下記PDF)されました。ちなみに、この中日新聞の記事には、KNPOについても簡単に紹介されています。

4) メディアなどでの紹介
 記者会見の翌日、朝日新聞が記事を掲載しました。
記事の翌日はKNPOのサイトへのアクセスも増えていたので、効果があったのだと思います。
商業メディアではありませんが、KNPOの参加団体しみん基金・KOBEのニュースレターがKNPOについて紹介してくださるそうです。他の参加団体の方々もニュースレターなどを通じて、ご紹介いただければ幸いです。

(柏木)