光陰矢のごとしといいますが、時間がたつのは早いもので、このサイトを立ち上げてから半月が経過しました。このサイトとサイトに掲載された市民型ファンド・中間支援組織のリンクもだいたいできあがってきました。
このサイトは、寄付を直接集めているわけではないので、どの程度の影響を生み出したのか、はっきりわかりません。しかし、寄付の申し出や相談依頼は、あまり寄せられていないのではないか、という気がします。
1) チャリプラへの寄付も60万円足らず
このサイトの立ち上げの少し前に、東京にあるチャリティ・プラットフォーム(チャリプラ)という寄付文化の創造をめざすNPOが、全国80のNPOと連携して、寄付集めのサイト(定額給付金基金)を立ち上げました。
ご覧になられるとわかりますが、実にしっかりした、わかりやすいサイトです。参加している全国のNPOも、NPO業界のなかでは知られた団体が少なくありません。しかも、メディアのレポートも相次いでいます。
にもかかわらず、サイトに示された実績をみると、4月10日17時現在、募金者数271人、募金総額56万9213円ということです。
インターネットを通じた寄付実績だけのようですので、実際に受けた寄付の額はもっと多いのでしょうが、1日平均3万円にすぎません。
日本における寄付集めの難しさを感じないわけにはいきません。
→→ 定額給付金基金(チャリティー・プラットフォーム)
http://www.charity-platform.com/kikin/
2) アメリカでも給付金集め!?
アメリカでインターネットを通じて寄付集めを行っている団体としてよく知られているNPOのひとつに、Network for Goodがあります。1999年にTidesの関連団体として設立されたGroundspringと2001年にAOL、Cisco Systems and Yahoo!によって設立されたNetwork for Goodは、2005年に合併してできたNPOです。
Network for Goodの財務報告書をみると、2007年に集めた寄付の総額は5600万ドルにものぼります。1万以上のNPOが参加しているとはいえ、60億円近い膨大な額です。
なぜ、こんなに多くの寄付が集まるのかについて、ここで検討する余裕はありませんが、募金で巨額の資金が集まる可能性があることは示していると思います。
そんなアメリカで、昨年、「給付金」をNPOへの寄付にという動きがありました。
ブッシュ政権が景気悪化への懸念から、低中所得者向けの給付金提供を行ったのです。ひとり600ドル(約6万円)、総額40億ドルといわれた、この給付金のどの程度がNPOに寄付として提供されたのか、定かではありません。しかし、AP通信の調査によると、給付を受けるとみられる人の4%が寄付をする予定だと答えていたということです。
4%という数字を少ないと感じるかもしれません。
しかし、この給付金は、日本のように所得に無関係に提供されるのではなく、一定の所得以下の人が対象です。したがって、寄付をする余裕のない人も含まれています。また、NPOが寄付を呼びかける前の数字ですので、実際にはより多くの人が寄付をした可能性もあります。
→→ Network for Good http://www.networkforgood.org/
3) 個々のNPOの呼び掛けが重要
アメリカで昨年「給付金」が支給された時、アーカンソー州にあるYouth Ranchesという虐待を受けた子どもたちへの支援を行うNPOは、団体の寄付者リストにある4万人の人々に寄付依頼を行う予定だと、New York Times紙は伝えていました。
Network for Goodに参加しているNPOも、自分のサイトで寄付の意義や使途などについて説明を行っています。だからこそ、寄付も集まってくるのではないでしょうか。
このサイトを立ち上げるための会議を行っていたとき、定額給付金が支給されれば「万単位の人が寄付をする」という見方と、「あまりおらんやろ」という意見にわかれました。いまのところ、後者の意見が優勢なようですが、大阪や京都など、大都市の自治体の給付はこれからです。
「寄付集めが難しい」のはたしかでしょう。
定額給付金についても、このままでは寄付集めは難しいと思われます。やはり、ひとつひとつのNPOがこんなことのために、これだけ寄付が必要だ、という声をだしていただくことが大切なのではないでしょうか。
前回のWeekly ReportのなかでDV問題に取り組んでいる「いくの学園を支える会」についてご紹介しました。
KyufukinNPO@infoseek.jp にご連絡いただければ、このコーナーでお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。(柏木)