定額給付金の支給が徐々に始まるとともに、NPOへの寄付へという動きや報道が広がってきています。
例えば、4月17日付の朝日新聞夕刊には、「給付金誰かのために」というメインタイトルで、「難民医療費や父子家庭支援 寄付募るネットの輪」というサブタイトルの5段抜きの記事が掲載されました。
東京のチャリティ・プラットフォームや難民支援協会の活動紹介から始まり、私たち定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク(KNPO)の紹介を呼びかけ人のひとり、大阪ボランティア協会の早瀬さんのことばの引用で終わっています。
また、これはコマーシャルのメディアではありませんが、市民活動を支える制度をつくる会(シーズ)のNPOWEBの「ニュース」のなかでも、KNPOの活動が紹介されています。
関西の主要都市でも連休明けにも給付が本格化するとみられます。
このため、KNPOでも次のアクションに向けて検討を進めています。
1) 新聞広告
大阪ボランティア協会の早瀬さんを経由して、KNPOに定額給付金のNPOへの寄付を呼びかける広告をださないか、という打診が某大手新聞社からありました。新聞の紙面一面を全部、定額給付金関係の広告にする、ということのようです。紙面を小さく区切り、そのひとつにKNPOの広告を、ということです。
All VolunteerのKNPOにとって、広告代を払えるのか、という疑問が当然でてきます。NPO向けの特別レートが可能ということのようなので、いま値段について交渉中です。KNPOのサイトに寄付を受け取るサイトまたは寄付の相談に応じる中間支援組織として掲載させていただいているNPOの方々からは、「出そう、出そう!」という声があがっています。広告代の問題が残りますが、幅広い人々に呼びかけるためにも、ぜひ実現したいと思います。
2) 寄付の意思表明者リスト作り
定額給付金をNPOへの寄付にという呼び掛けが広がるなかで、「日本に寄付文化を根付かせよう」という声が大きくなっています。日本に寄付文化がないかどうか、議論がありますが、NPOへの寄付が少ないことはたしかです。
ある資料によれば、日本におけるNPOに対する個人の寄付は年間ひとり300円。一方、アメリカは10万円近い額です。
なぜ、このような差が出るのでしょうか。
「寄付をする理由」の第一は、万国共通といわれています。
「頼まれたから」なのです。
逆にいえば、頼まれないと寄付はしない、ということになります。
もちろん頼み方も大切です。
頼む人が自信をもって、推薦できるかどうかは、大きなポイントです。
では、自信をもって推薦しているかどうか、どうやったら判断できるのでしょうか。
頼む人自らが寄付をしているかどうかではないでしょうか。
例えば、レストランで、「このお料理オイシイですよ。ぜひ、お試しください」といわれて、「どおオイシイの?食べてみた?」と聞かれ、「いえ、私は食べていないのですが……」とウエイトレスなりウエイターの人が口ごもりながら答えたら、「ほんまに、オイシイんかいな」と疑って、注文しないのではないでしょうか。
寄付も同じことではないでしょうか。アメリカのファンドレイジングでは、理事の寄付とリードドナーが大切、といいます。理事は団体の所有者です。その団体が寄付を求めるのであれば、所有者自らが「オイシイ」つまり、その団体の活動が素晴らしいと自覚し、その活動に財政的な支=寄付をしているはずだ、という考えです。
もうひとつのリードドナーとは、募金活動を先導していく人たちをいいます。
通常、多額の寄付を最初にする人をさします。
要するにAさんが100万円寄付をするといってくれました。ですから、Bさん、Cさん、100万円とはいいませんが、いくらかでもお願いします、というような言い方につなげてくのです。
KNPOでも、理事の寄付やリードドナーと同じような役割を演じる人たちを提示することが必要ではないでしょうか。こういう考えのもとに、定額給付金をNPOへの寄付にすることを意思表明する人のリストをつくり、このサイトで紹介するなどして、「皆さんもぜひ、NPOに寄付を!」という呼び掛けにより説得力をもたせていきたいと思っています。
この点についても、いまKNPO内部で議論を進めています。
来週早々には、皆さんにお願いの文書がアップされると思います。
その折は、ご協力、よろしくお願いいたします。
3) 街づくり夢基金の募金活動、朝日新聞が記事に
この原稿を書いているときに、街づくり夢基金の阪野さんからメールがありました。
4月15日付の朝日新聞の夕刊に記事がのった、というものです。
タイトルは「配食サービスに給付金寄付を 市民団体など呼び掛け」というもので、高齢者への配食サービスを行っている大阪府南部の3団体への寄付を求めていることが紹介されています。
記事には、寄付の振込口座や問い合わせの電話番号も掲載されています。
街づくり夢基金は、KNPOのサイトにも寄付を受け取る市民型ファンドとして載せていただいています。単に、寄付を、というのではなく、寄付集めのセオリーに基づいた具体的な内容を伴った寄付集めですし、ぜひ多くの寄付が集まってほしいと思います。