5月から6月にかけて、多くのNPOは、総会を開催します。
前年度の事業や会計の報告書類ができあがるとともに、新しい年度の事業計画や予算を承認してもらう必要があるためです。
私は、いくつかのNPO法人の理事や監事になっているので、この時期の週末にはしばしば総会に顔を出すことになります。
先日もあるNPOの総会がありました。
議題は、どこのNPOの総会でもでてくる事業報告や決算、事業計画に予算といったもので、特に目新しいものがあったわけではありません。
しかし、予算を検討したとき、多くの意見がでました。
会費や寄付、事業収入などに関して、計上されているような額を達成できるのかという懸念の声です。
景気の低迷により、会費や寄付が集まりにくく、事業収入の伸び悩む傾向があることなどが背景にあるといえるでしょう。
景気対策としての定額給付金!これが切り札となり景気が回復していけば、NPOの経営も少しは楽になるのかもしれません。
しかし、給付が行われている最中なので、結論じみたことをいうのは避けるべきかもしれませんが、「景気浮揚の効果は限定的」という意見が強いようです。
加えて、新型インフルエンザです。
特に関西では、兵庫・大阪を中心に感染者が相次でいます。
京都では、たった一人の感染が確認された後、修学旅行の中止や延期が相次いでいるということです。
新型インフルエンザは、景気悪化に追い打ちをかけていることは確実でしょう。
となると、NPOが提供するサービスへのニーズが拡大する反面、サービスの提供に必要な資金が十分確保できない状況が生まれてくる可能性が高くなります。
先日の総会での予算案への懸念は、こうした状況が現実化していることをNPO関係者が実感しているからではないでしょうか。
であるならば、NPOは、これまで以上に積極的に資金を集める必要があります。
このサイトで提起してきた「定額給付金をNPOへの寄付に!」という声を大きくすべき状況ではあっても、縮小ないしは停止させてしまってよい状況にはありません。
総会が終わった後、「そうだ、参加者に定額給付金をNPOに寄付する声をあげるとともに、率先して寄付をしていく意思を表明し、寄付をうながす動きを広げていきましょう」と呼びかけるべきだったのではないか、と思いました。
この総会は終わってしまったので、もう仕方がありません。
しかし、別の総会では、こうしたアピールをしていきたいと思います。
皆さんもぜひ、積極的に「定額給付金をNPOへの寄付に!」という声を上げ続けていただければ、と思います。
事務局 柏木 宏