あいたくて

新緑の美しい季節を迎えています。
 ここ支援室の窓越しにみえる緑にも、やわらかさと透明感を感じます。
 その足元で、色鮮やかな花々に交じって、音も立てずにタンポポが綿毛をとばして
 いるのを見つけました。

 みなさんがご覧になったことがあるタンポポの色は何色でしょうか?
 黄いろ? 白いろ?
 白いタンポポは本来は温暖地に咲くらしいのですが、ここのところの地球温暖化で
 その生息地が日本の中でも北上しているらしいという話を耳にしました。
 ここ、上ヶ原でも白いタンポポを目にするのは、そう遠くないことかもしれません。

 
 今日、支援室におふたりの学生さんの姿を見つけて嬉しくなりました。連休中の
 課題を調べに来ていたのでしょうか。私の実習関連科目クラスの学生さんでした。
 確か、クラスの最初の自己紹介で「このクラスには、知り合いがいないので...」
 と緊張した面持ちで話されたのを思い出して、こころがぽっと温かくなりました。

 教師にとってクラス運営は難しい課題ですが、通年クラスの最終日に
 「このクラスでよかった」「もっと一緒の学びたい」という言葉をきくと、自分の至ら
 なさも忘れて、こころの底から嬉しくなるものです。
 ついこの間も、昨年度のクラスの学生さんからメールが届き、
 「みなで会いたい!っていうことになっているので、先生もこられませんか?」
 と誘っていただきました。
 
 「知らない」関係から、また「あいたくなる」関係に発展するのは、教師の力では
 なくて、学生さんがつくりあげた結果なのだと思います。そして、それは、
 ソーシャルワークをともに学んだからこそ築けた関係性だと信じたいと思います。

 今日の支援室訪問者のおふたりの将来を願って。

 
  詩 「ねがいごと」 たんぽぽはるか
 
 あいたくて
 あいたくて
 あいたくて
 あいたくて ・・・

 きょうも
 わたげをとばします

 工藤直子 『のはらうた』 童話屋

 支援室:N.N.