真夏のスーツ

今日から6月ですね。制服のある学校は、今日から夏服。

オフィスなどでは、クールビズです。会社や行政のオフィスで働く人たちが、半袖にノーネクタイというカジュアルな服装にして、そのかわり部屋の空調の温度を下げすぎないようにするという温暖化対策でもあります。

6月に入ると、そろそろ現場実習の事前訪問がスタートしますね。
事前訪問の時、多くの学生さんはスーツ姿で現れます。
以前、8月の事前訪問に同行するために駅で待ち合わせをした時のことです。黒のスーツに長袖シャツ姿の学生さんが息せき切って現れました。もう汗だく、顔は真っ赤です。あまりに暑苦しそうだったので、ともかくジャケットを脱ぐように言って脱いだところが、もう汗でシャツが身体にへばりついて見るも無惨な出で立ちでした。そのまま訪問するわけにもいかず、駅近くのコンビニに入って汗が引くまで少し涼み、汗でへばりついた髪を整えてから出かけたことがありました。

「ちゃんとした服装」というと、多くの学生さんはスーツ着用、となるようですね。確かに、事前訪問は、最初の訪問ですしきちんとした身だしなみであることは必要なのですが、6月ならまだしも、7月後半から8月にかけての盛夏の時期に、長袖シャツにスーツというのはいかがなものでしょう。

恐らく、学生さんが持っているスーツというのは、入学式の時に着ておられた合い服(裏地のある冬・春・秋用の服)でしょう。裏地の無い夏用のスーツを別に持っている人は少ないと思います。そうでなくても、普段は夏向けに涼しいカジュアルな服装で、裸足にサンダル…といった格好なのですから、気温30度を超す真夏の昼下がりに長袖シャツにスーツなど(女性の場合はストッキングまで!)、不快さにおいてその差は歴然です。それはスーツを着ている本人はもちろんですが、汗だくの姿を目の当たりにする回りの人にとっても、やっぱり暑苦しいものです。

夏には夏の「ちゃんとした服装」というのがあります。例えば、学生の実習先訪問なら、長袖ではなく、襟のある白を基調とした半袖のシャツに黒や紺あるいはグレーなどのスカートやパンツなら、ジャケットなしでも充分ではないかと思います。

こんな話しもあります。
ある学校から高齢者施設に見学に行くのに、20人近くの学生がみんな黒いスーツ姿で、まるでお葬式のようで快くは迎えてもらえなかったとか。

やっぱり、何事においてもTPOが大切だということでしょう。
事前訪問という状況、学生という身分、夏という季節、訪問先までの所用時間、炎天下を歩く可能性のある時間等々……状況を良く見、考え、その場に相応しい対応をする。自信が持てなければ信頼できる大人に聞いてみましょう。聞くは一時の恥に過ぎません。いろいろな経験を経て大人になっていくのですから。いい年になってしまうと、それこそ恥ずかしくって聞けなくなることはいっぱいあります。

服装の話題でしたが、これは実習での状況にそっくりそのまま置き換えても通用しそうですね。

実践教育支援室 室長(夏が近づくのが嬉しい夏女)