指導をするという本質!南小学校体育授業!!

今日は朝からまた一日体育授業がありました!昨日は天気が変わりやすく1時間しか出来ませんでしたが、今日は朝からスッキリと晴れ渡り、予定通りの1,2,4,5時間目の授業を行う事が出来ました。

今日は3年生、4年生、6年生、2年生という流れで非常に幅広い年代とやれる事は自分にとって本当に有意義で楽しみでした♪この小学校の体育授業は自分の得意な分野として発揮するだけではうまくいきません。サッカーが好きでサッカーの事だけをやろうとしても、大半はサッカーがむしろ嫌いな子が多いので通用しないのです。そういう環境の中で授業としての意味を持たせ、中身をつくる為には『子供が学ぶ時間』にしないといけないのです。大人に、先生に『やらされる習慣』がついてしまうと大きくなっていくにつれて集団生活の中で機能出来なくなってしまうのです。低学年がワガママなのは経験が少ないから当然ですが、高学年のワガママは考え方がズレてしまっているという風に、同じような状況でも違ってくるものです。そこを大人が見極めて正しいアプローチをしていけるか?はとても大事です。今日もこの授業を通して良い成果を得られるように、また子供達の中に残るようにがんばりたいと思いました!

自分は体育の、サッカーという授業を使って『良いクラスをつくる』事を目的にしています。そして、その目的を達成する為には『良い考え方の自分』にならなければなりません。たくさんの子供に出会い、たくさんの考え方を聞きますがどの段階で止まっているのか?どこが課題なのか?など個々によって違う部分を見極めて接していくのが本当に難しい事です。そこへの悩みは常に絶えませんが『良くしたい』という前向きな悩み方は結果もプラスに作用していくものですから、これからも現場で自分自身が良い見本になりながら子供と向き合っていきたいと思います!

繋がる楽しさを得ると本当に学校で何をやるのも楽しくなるし、もっと言えば『早く友達に会いたい』と学校が楽しくなるものです。反対に今日も一人の男の子と話し込む時間があったのですが、その子は小さな体で深い悩みを持っていました。学校が好きではない、行きたくない、でも楽しくしたい・・・そんな葛藤がありました。今日は『こうしたほうがいいよ』というアドバイスは抜きで、とにかくその子の思いをひたすら聞くようにしました。その子はそこで気持ちが楽になったようで、そこからの時間は自分に色々聞いてほしそうに職員室にも顔を出して声を掛けてきました。

子供から出ている『サイン』をどのように受け止めていけるか?は大人にとって最重要な事だし、教える立場にある人間は特にそこを意識しなければいけない事を教えられました。

昨日もそうですが、やっぱり『うまくさせようとする』大人の焦りがたくさん見えます。

失敗が良くない、遅いのはダメ。みたいな風習が根強くあるように感じます・・・。

今日はこんな事を伝えました。

ボールを片付けて集合してください!!とコーチが言いました。すると、ダッシュしてボールを置いて戻ってくる子供達!その多くは、

『俺が一番!!』という事を言います。

『本当だね!速いね!』と『認め』ますが、『褒め』ません。そして、一番遅い子が帰ってきた時に、

『さて、帰ってくる子がものすごく速い子もいたけど、こうやって遅い子もいたよね?どうしてだと思う?』と質問。

『ダラダラしているから!』
『走るのが遅いから!』
『コーチの話を聞いていないから!!』

とものすごく悲観的に『遅かった子』を責める訳です。

『本当にそう思う?』と聞くと、速く来た子は自分しか見えていませんから自信たっぷりにうなづきます!!

でも、ちょっと遅かった子は状況が見えていて、

『速かった○○くんはボールを適当に投げているだけだったからあちこちに転がっていたし、遅かった○○ちゃんはそのボールをきちんと片付けていました』

と。

『よく見てくれていたね!!コーチもそれが見えていたから最後に褒めたんだよ!』と言いました。

『何をするのも早いのが必ずしも良いとは限らないんだよ。早く学校に来たからって忘れ物をしてたら良い人間かな?早く宿題を済ませても汚い字や間違っている字を書いてても良いのかな?』と聞くとさすがに下を向いていました。。。

『コーチは速かった子を怒るなんてしないし、そんな事をするつもりもないよ!速い事もかけっこや陸上大会、運動会ではヒーローにもなれるからね!!でも、いつもそればっかりではクラスが良くなるとは限らない事も考えてみてね!』と言いました。

こういう形で授業では、毎回のように何かが起きるし、何かを学ぶ訳です。コーチとして、指導者としてやるべきは『きちんとさせる』とか『みんな横一列にさせる』のではなく、『個性の使い方』だったり『周りの事を考える』事が大事なんだと教えるのが役目だと思うし、それが指導の本質だと思います。

みんな授業を楽しみにしてくれている話を聞くし、コーチは面白いと言います。

ですが、それはきちんと言うべき事を言うべき時に言うからだと思います。厳しい事だってたくさん言いますが肝心なのは、『どうしてそれを言うのか?という意味を絶対に伝える』からです。恐らく先生との違いはそこにあると感じています。大人目線、大人基準で『こうしなさい、こうするべきだ』と言うだけでは子供には分からないのです。

でも、意味を伝え、その意味を理解出来たか?を確認すれば絶対に子供には伝わります。最近は子供に自信を持って、『コーチはみんなが楽しくなる方法を知っている』と言います。楽しいという時間は自分自身だからです。人に与えられるのではなく、生み出す事なのです。その意味と価値を知っているからこそ堂々と言えるし、子供もその自分の『本当にこの人は知っているんだという背景』を観るから伝わると思います。

自信のない人が指導をしても、やっぱり子供には伝わりません。いくら取り繕っても子供にはすぐに見透かされます。『私(自分自身)の為に怒っている』のか『子供(相手)の為なのか』の違いは子供には絶対に伝わるものです。

今の自分は子供に伝えたいと思う事はほぼ伝わるようになりました。それは子供の力を知っているし、自分がどう伝えれば良いかが分かってきたからです。理解に差はあっても正しいかどうか?は伝わります。現場だからこそ学べるこの良い経験をこれからも自分の財産として残していきたいと思います!

今日も丸一日、子供と多くの時間を過ごせて幸せでした♪