今日は朝から練習&紅白戦をしました。

昨日の練習の最後には『選手としての目標、目的がない状態ではがんばれない事』を伝えました。そして、今日はその考え方を実践してもらう形を考えました。その事をしようと思っていた矢先、いつも自転車でがんばって来てくれている中町メンバーの自転車について2,3年生のリーダーに考えてもらいました。その自転車はしなくても良い改造をしているという中、必要性はあるのか?仮にそれのほうが『楽』だとしても、みんなと違った形で楽なほうへ改造する考え方は上達をしていこうとする選手が考える事だろうか?一緒に考えてもらいました。自分の価値観だけを押し付けるのは子供にとってしんどい事なのは分かっています。だからこそ、価値観が低い今の子供達には一緒に考える方法をとっています。他の人の意見も聞き入れ、その上でもう一度判断をする。そういう風にすれば本人も納得するし、ただ頭ごなしに怒鳴る、怒る、やめさせる、みたいな事をするのは指導ではないですからね。何がどういけないと思うのか?どういう意味で言っているのか?などを伝えるのも自分の役目。

リーダー同士でも意見を出してもらいながら考えた結果、それはやっぱり良くないという判断になり、本人にも理解をしてもらいました。後は直す、直さないは本人の意思。伝えた上で、最終的な行動は本人に任せます。

今日は最初にやってもらったのは5人がチームとなって、一人が目隠しをされた状態で目的地まで動くという事をしました。5人の中の一人が目隠しをされ、一人は目隠しだけをして、残りの3人で声を掛けて案内していくというゲームをしました。

目隠しされると誰だって不安になります。でも、それは普段が見えているからなんですね。その不安になった状態で頼りにするのは、周りの声しかありません。仲間を信頼する事やその仲間に対する言葉掛けなども同時に学べる機会でした。さらに途中からは声を掛ける3人のうち、他のグループの邪魔をしても良いルールを加えました(笑) すると、ありもしない『石があるぞ!』なんて言われたらそれだけでもやっぱり見えない人からすると怖いものです。ですが、自分の仲間を信じていれば他の情報にも左右されないという結果も出ました。

5人がチームで順番にやるから最後のほうは、大体の距離も分かってしまうので、最後は方向もバラバラに用意してやってもらうとやはり不安度は増しました。

そのゲームを観て、たくさん発見があったので2ゲーム目を用意し、今度は『敢えて他のチームと接触しやすい環境』を用意しました。

でも、その状態にすると最初から『危ないかも?!』って考え方が入るからかえってぶつかる事はありませんでした。。。

これって車でもある事で、車が多く、一見危ないと思える交差点のほうが事故は少なく、何もない安全って思いがちの所のほうが事故発生率は高いという事です。心の中の安心があると失敗が起き、危ないかも?!なんて予測があると慎重になり危険を回避出来るという事ですね。

そんな経験をしてもらった後に、全員に感想をもらうと

・怖かった(ぶつかるかも。。。隣と当たるかも。。。見えないという恐怖など)
・伝える難しさ(見えない仲間への伝え方が難しかった)
・仲間のありがたみ(見えない中でうまく誘導してくれた)

という結果に大きく分かれました。

ここに心理が隠されていました。

そもそもこれをさせたのは、『目的がない(先が見えない)状態で何かをするのは怖い、不安になりやすいという事を体感してもらう』事でした。

見えないのに全力ダッシュってなかなか勇気がいるし、出来ないですよね?と、なると普段の練習にしても『目的がない子ががんばるなんて出来ない事』なのです。それはがんばっているように見えたとしても、勝手に動いて、勝手に好きな事をやっているだけ、ってなるのです。その事を理解してもらおうと思ったのと、最後の感想で、

『怖かった』の部類の感想の子は、やっぱり普段から『ミスしたらどうしよう・・・』『評価が下がるかも・・・』『先輩に、コーチに言われるかも・・・』なんて不安でやっている子。ほとんどの子が当てはまっていました。

『伝える難しさ』の部類の子は、普段から周りの為に何かの行動を起こし、『まとめるって難しいな〜』って感じている子でした。これもやっぱり当てはまる。

『仲間に感謝』という子どこかのタイミングで『あれ?この子すごく変わってきたな』と思う子が当てはまっていました。そういう子はやはり自分のタイミングで何かを自分で得た子なんだと思う。周りに影響され、親に、先生に、先輩に、コーチに言われて・・・自分で気付いた!という子が該当していました。

こうして最初にやったちょっとしたゲームでみんなの深層心理みたいなものがハッキリ見えたし、みんなもそれが理解出来たと思う。どれも結果ですから正解ですが、『好きな事を不安な気持ちでやる事に成果が出るだろうか?』って事を話した上で、今日は2チームでわざとメンバーが多く溢れる状態にし、その上で『全員が出れないならば、何で決めるか?』という事もチーム内でハッキリさせるという事を目指してやってもらいました。

ゲームまでの40分間のアップでチームそれぞれにメニューをやって、そこで見えた何かの差でメンバーを決めてゲームは20分を3本やりました。

もちろんゲームしているメンバーの積極性は昨日に比べて遥かに上でした。周りを感じ、周りと協力しようとする意識がすごくあった。みんなは今、好きな事を思い切り出来る環境にある。なのに、出来る状態に慣れるとそれに安心し、向上心を失う。。。もっとやれる事自体に感謝出来ないといけない事を言いました。

勝つとか、負ける以前に、好きな事を思い切りやらせてもらっている環境に感謝をしないといけないのです。

自分自身の目標を持つ。選手として、人として。

その目標が明確になれば、今日という日の使い方が分かってくる。それが分かればその日にうまくいこうが、いくまいが、『何が、どういけなかったのか?』を考えられる。それが出来れば前に常に進めている。成功だけが進む形ではなく、『悩み方』によっては前には進む。

日々精進。がんばろう!!