童話『うさぎとカメ』の話があります。
競争をした末、コツコツと歩みを止めなかったカメが最後は勝利をするという話です。子供に教育として教える立場であると、『カメみたいにコツコツ最後は勝つんだ!』みたいに美学の一つとして語るのも良いでしょう・・・・。
でもね、目指すべきはあの童話のうさぎでもカメでもなく、『謙虚にがんばるうさぎ』ですよね?(笑) これを言ってしまうと童話自体は元も子もないのですが・・・(笑)。
ただ、ゆっくりやる事が美学だと伝えてしまうと上を目指さなくなってしまうのは違うと思うし、色々な子がいる中で一つの形に縛るのは無理だという事。速い子には速い何かを教えていく必要がある。あの童話では慢心だらけのうさぎだったから負けたけど、謙虚んら圧勝でしたよね?つまり、目指すのはゆっくりのカメではなく、慢心のうさぎでもなく『謙虚なうさぎ』なんです。カメを否定はしていません。そのほうが良い子もいます。
ですが、コーチとしては謙虚なうさぎを育てる方法も持たないといけないんだな〜って思いました。
何の話なんですか????(笑)
今日も昼間は勉強に神戸まで行かせてもらい、そこで自分がとても影響を受けている先生方と話をさせていただいた中で思った事なんです。自分はカメを育てる事に自分自身が満足しているんじゃないのか?うさぎには何をしてやるんだい?わざわざカメのペースに合わせなさいって言うんですか?というような話。
何が正しいのか?が形としてなかなか見えない指導という仕事。その中で色々な子供がいて、人間がいて、関わる自分の方法が『これだけ』というものでは対処出来ないのではないだろうか?という事を考えさせられました。
大人は子供に対して高圧的になれるから、極端な話自分の出来ない事は隠して、無理やり子供のほうを当てはめるやり方はやろうと思えば出来るはずです。『コーチが言ってるんだからこうしなさい!!』ってね。でも、それじゃ暴力振るって言う事聞かせるのとあまり変わりがないと思うのです。子供にやりたい事、なりたい自分をいかにしてイメージさせられるか?膨らませられるか?を引き出す事が大切だし、その時の関わり方が『うさぎ方式』なのか『カメ方式』なのか?を選べる自分でありたいと思います。
スクールは怪我をしている慶悠くんも参加をしてくれて、出来る範囲でやってくれました!
慶悠くんの人間性は『居るだけで違う』という特長があり、みんなが何か安心する空気感を持っています。だから一緒に思い切り試合などは出来ないけど、居てくれて安心する、という感じは特に5年生からは見受けられました。こういうのも日頃の行動から得たものでしょうし、一朝一夕のものではありません。
何事も時間を掛けてやるしかないのです。
今日も2,3年生の二人には話をしました。今はまだ自分が何をしたら良いのか?を『与えられ慣れ』しているからきちんと見つけられていません。二言目には『うまくなりたい』と言うのですが、そのうまくなるという事自体がどういうものなのか?については考えた事がありません。だから、何をしたら良いのか分かっていない。ですが、これは『現状』であり『現実』ですから、目を背けずに『何からやっていくべきか?』をゆっくり整理させていこうと思います。
やはり低学年というのは『飽きっぽい』性格ですから、高学年の真似を色々してみるけど、すぐに飽きて他の事をやる。それはそれで良いのですが、他の事をやるタイミングが『うまくやれないから』というだけの理由になっているのが考えないといけない所。
何をしても良いけど、『やりたい事に対しては簡単にやめない事』をまず二人には教えていきたいと思います。もちろん焦ってもいないし、求めてもいません。二人がなりたい形をまず一緒に寄り添って考えていく。その上で、何からやっていこうか?を考えていきたいと思います。
物事を考えていく為の順序みたいなものが整理されれば誰でも行動の質は高まっていくはずです。今は子供側からの質問が一切出ないから敢えてこちらからは与えていない、という状況でした。でも、今日は終盤に話をして今後は少しずつアプローチしていこうと思っています!
子供なりに、小さな体で色々考えています。
でも、『聞かないと考えない』のが現状。だからこそ、考えさせる設定を与えるのも大事。何もしなければ何も変わらない。身長のように、『いつの間にか伸びた』って訳にはいかないのが人間の本質。自分の意識の根っこを動かさないと変わらないものだから、慎重に、大切に関わる必要がある。
昼間の学びをこの時間に繋げていく事で、自分もやるべき事が整理されていく。
うさぎにもカメにも、効果的な関わりが出来るコーチになれるようにこれからも自分自身を何度も何度も見直しながらやっていきたいと思います。