爽やかな秋晴れの10月28日、認知症予防ネットとしては、初めて和歌山県に伺いました。
御坊市社会福祉協議会の主催による、ボランティアさんの研修会に100人近くの出席がありました。

日常的にデイケアやサロンで、ゲームなどの指導をしておられる方たちとおききしたので、2時間の予定の前半を認知症予防スリーA方式の紹介、後半ですぐに役立つ脳活性化リハビリゲームを体験していただきました。

静岡市の増田末知子先生が始められた認知症予防教室“スリーA”とは、「あかるく、あたまを使って、あきらめない」をモットーとし、その三つのかしら文字「A」をとって、予防教室の名前にされたこと。
発病者には悪化の予防と引戻し、もの忘れ段階ではあかるい日常生活への引戻し、一般高齢者には認知症予防が可能になる。スリーAの予防ゲーム一つ一つにこめられた意味と成果の実例を高林が話しました。
教室が無い場合は家庭内で、一対一でもスリーA精神で関わりかたを替えた結果、一人で留守番も外出などの行動もできるように、90歳を越えたお母様が、目覚しい回復をみせられた報告を、福井が話しました。

そのあと教室でおこなっているゲーム各種、一つのゲームでも同時に幾通りにも頭を働かせて、自発性を回復させる脳活性化を実体験していただきました。スリーA独特の関わりかた「優しさのシャワー」による癒し、ゲームでは失敗しても○(マル)、却ってそのほうが良いという考え方、皆が殆ど同時に失敗して爆笑する笑いの効果など等、各種ゲームの間にはさむ解説で、皆さん完全に理解できた〜、というお顔を見せてくださいました。

いつも終わりには日常活動に取り入れてくださるようにお願いするのですが、ここでは参加者の方が、明日から活用させてもらいます、と言ってくださって嬉しくお別れをしました。

思えば平成13年10月、グループ活動をしていたころに知り合った福井県敦賀市のグループホームつくし様から数えて、近畿地方2府6県に、スリーAの予防ゲームがたんぽぽの種のように飛びわたった記念日となりました。

地図の上では点のような存在の認知症予防スリーA方式、これからは隣へ隣へと広がりますように、願っております。(高林実結樹)