全国自治体に報告書送付事業を回顧

「ちよネット通信5号」(2006年2月1日発行の4ページ)に出ているスリーAの調査研究報告書は、唯一の第三者評価と言えるものです。

当時、全国に2160あった自治体の市区町村長に宛てて、この報告書を提言書とともに発送しましたが、それは最初の名簿作りだけでも手に余る作業でした。ですがITで探す方法を教えてくれる人など、協力者が必要な場面で現れてくださって、小人数のNPOにしては膨大な発送作業が、無事に目標の期日までに終わったのでした。今ではその時の多忙さも懐かしい思い出となっています。

発送時にはアンケートを同封し、回答が戻ってきたのは100にも満たない件数でした。しかし認知症予防にとても前向きな思いを書いておられる自治体が少なからず、心強く、勇気づけられたものでした。

その後、一昨年(2008年)7月にテキストを発行し、全国各方面の地域包括支援センターや介護保険事業所その他から問合せをいただきましたのも、報告書発送とつながっていると感じています。

その中でも特に積極的にスリーA方式の予防教室やサロンを実施されたり、予防ゲームのリーダー養成講習会を計画される自治体ほか団体があり、なおなお喜びを深くしています。

それらの地域で、高齢者が楽しく笑って認知症予防に取組まれ、数年間の介護保険申請の先送りを実現されていることを思えば、発送時の苦労などはとっくに消えてあまりあると思うので、私たちNPOの事業は成功だと、その点では満足しているところです。 

苦労のあとの報いとは、手の届かない遠い地域からの音信ですが、このような無形の喜びほど大きく嬉しいものはありません。

 (高林実結樹)