私は、池田市さわやか地域包括支援センターの社会福祉士をしております。
介護や福祉の相談をお受けするのが仕事なのですが、超高齢社会を迎え、年々認知症に関するご相談が増えてきているなあと感じています。
例えば、ご家族は、認知症について何となく聞いたことがあるという程度の方が多いので、いざ介護に直面したらどう対応していいか分らなかったり、高齢者ご自身は、認知症にならないようにするにはどうすればいいのかしら?と不安に思われています。
地域包括支援センターでも、認知症に関する取り組みは重要な課題です。そこで、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるように、厚生労働省が進めている「認知症サポーター100万人キャラバン」を池田市でも広げていくため、本年度より包括支援センターの全職員がキャラバンメイトの講習を受け、市民の方を対象に「認知症サポーター養成講座」を開いています。
また一方では、自分自身や家族が、できるなら認知症にならないように予防する方法はないのか?という考えに行き着くと思います。現在、認知症を予防すると言われているプログラムは多種多様に紹介されていて、何をすれば本当に効果があるのかわかりにくいところです。
そのような中で「認知症予防ゲームスリーA」に出会いました。本年6月に高林実結樹理事長、福井恵子さんに池田市までご足労いただき、4日間の講習を受けました。ゲームを通して「優しさをシャワーのように浴びせる」という高齢者との関わり方の真髄を学びました。その方の自尊心を高める関わりこそが脳を活性化させ、結果的に認知症予防につながるという理論に感銘を受けました。ゲームは指先から全身の運動に広げていくため、適度な運動になり、血流改善に役立つという効果もあります。
研修終了後は、ふれあいサロンや高齢者施設などでご紹介させていただいておりますが、参加者の楽しそうな笑顔に出会えることを幸せに感じながら多くの方に知っていただきたいと思っています。しかし、私達だけでは広めるにも限界があります。今後は地域の方の中からリーダーとなる方が出て下さればと考え、11月29日に福井恵子さんに来ていただき、池田市内全域の民生委員・地区福祉委員の方を対象に「地域ネットワーク連絡会議」の中で講習会として取り入れ、お話と実技をしていただきました。
講習会では初めてお会いする方も多かったのですが、福井さんの楽しい進行と、さすがに普段から地域のお世話をされている方々ですので、和気あいあいとゲームに取り組まれていたのが印象的でした。講習を終えて、皆さんの感想は「ぜひ、地域での集まりでもこのゲームを取り入れて行きたい」といった前向きなご意見が多かったです。早速、地域で紹介してほしいということで、12月8日に池田地区のふれあいサロンにお呼ばれし、ゲームの紹介をしてきました。「体があったまったわ〜」「大笑いしたわ〜」とおっしゃって下さいました。今後も、地域で認知症予防ゲームスリーAが広がればと思います。
池田市さわやか地域包括支援センター 形 山 美 保