埼玉県三郷市で 「認知症の予防&改善—スリーA体験フォーラム−」
主催:三郷市福祉部ふくし総合相談室:三郷市社会福祉協議会:NPO法人游ぐるーぷきく
会場:三郷市文化会館中会議室 1時半〜4時
対象:認知症サポーター優先
定員:50名
昨2月18日は、東京・千葉と境を接している埼玉県三郷市での講演でした。安全のため、三郷で前泊したのですが、夜の駐車場は雪だるまのように真っ白な車が並んでいました。
今回の「スリーA体験」フォーラムのきっかけは、三郷市の“NPO法人游ぐるーぷきく”の水口さんが、昨春の第1回東京フォーラムに参加され、スリーAの認知症予防ゲームをご自分の地域に導入をしようと考えてくださったことにあります。そして12月の第2回東京フォーラムには、三郷市役所の福祉関係部署の方も一緒に参加されました。その結果、昨日の3団体共催による「認知症の予防&改善—スリーA体験フォーラム−」開催に、漕ぎつけられました。
三郷市福祉部ふくし総合相談室からは、「ゲームをどんどんやっていく中で、ゲームのポイントとどこが効くのかということを、やりながら話していただいたほうが、気持ちよく響きます。」
というご希望がありましたので、養成講座さながらに、ほとんどゲーム1種目毎にそのゲームの意味と、良い効果を生む優しさのシャワー(癒し)をどういう具合に発揮するか、という解説を入れながら進めました。私の隣に座られた方には、何度もモデルとして協力して頂きました、感謝しています。
全20種目を行うのは時間不足が明らかですから、どのゲームに絞るか、考えました。折角ご自分で製作された道具なので、ぜひ道具を使うゲームまで辿り着きたい、というのが私の隠れた目的となりました。みなさんの座を、最初は円形で、途中で机を並べて、そこからは時計と相談ですので、急遽また机を片付けてもらったり、わがままを通させてもらいました。
20種目の順番を崩したくないので、サッカーやバレーのゲームは割愛し16種目を選びました。昨夜完成したという、湯気が立っているようなカラフルなシーツ玉入れは、50人以上のご参加ですから、十数人だけが体験。他の方は周囲で見学になったのはヤムを得ませんでした。ジャンケンたすきとりゲームも簡略版で、ジャンケンに負けたら1本リボンを渡すルールの次には、いきなり全部を差し出すようにしました。
その間、認知症になった人の心理や奇行とも見える行為の理由なども解説させていただきました。認知症を病む人の心理が判らないと、お為ごかしのゲームに堕ちたり、形式的な時間つぶしのゲームになったりします。初めて話す認知症の解説も織り交ぜましたが、参加された方たちが、一々頷いてくださり、ルールの説明の仕方と進め方、優しさのシャワーの言葉掛けの原則もご理解頂けたと思います。それは皆様が真剣に受けとめるという、受入れ態勢を示してくださったから出来たことです。
最後にぎりぎり合格点を頂けたのか、大きな拍手をいただきました。
帰路の新幹線は、滋賀県の米原近辺は雪のために徐行でしたが、電子書籍に成ったテキストをがら空きの車内で読んでいたら、いつの間にか、京都に帰着していました。
初夏の頃には、三郷にもきっと、スリーAの蕾がふくらむでしょう。
高林実結樹