大牟田市での10月12,13日と連続の認知症予防「スリーA」ゲームのインストラクター養成講座から無事、帰宅しました。
K内科医院が運営される「デイケアひまわり」からのお招きでした。初日は18時から20時までの講座でしたが、なんと院長先生も職員と一緒に参加してくださいました。
私の講義の仕方はいつもと一緒で、拙著の講義録を参加者皆さんで輪読して頂きます。一方的に私が話しますと、睡魔が忍び込むからです。輪読の合間に私は必要なエピソードを時間の許す限り挟み込んで話し、理解を深めて頂きます。
実技の体得では、1人ずつにリードの仕方を実演して貰って、全員の観察力を高めて貰います。その輪のなかに院長先生も入ってくださいました。
終ってから感想を一言ずつ話して頂くのですが、院長先生が言われた言葉が耳に焼き付いて離れません。
その言葉は次のようなものでした。
「このゲームには、智恵と慈悲の心があると思った。智恵と慈悲の心というのは親鸞の言葉で、親鸞は、動物と人間の違いをこのように言われたのですが…」というものでした。
私は今まで、老人会の単発講演会でも、ゲームの意味するところを一心に語ってスリーAの理解者を増やすことに力を注いできました。
一般の高齢者に広く、スリーAの意味を間違いなく理解してもらってこそ、早期でのスリーA教室参加を考えてもらえる社会になると信じているからです。裾野を拡げることに力を入れているのです。
今回の大牟田養成講座は、10人ほどの医療・福祉のプロの方々が受講してくださったのですが、いつもと同じ気持で話したのに対して、初日の終了時に、親鸞の言葉を持ち出して講評してくださったのです。こういう言葉を聞くのは初めてで、深く感じいりました。
こんなふうに言っていただいたからには、私の願いだった保健・医療・福祉とよく並べられる別世界の人、内科医にもしっかり受入れて頂いたと、受けとめて良いと確信しました。
活動仲間の福井さんとスリーA創始者・増田先生は「日本認知症予防学会」から予防活動に対して表彰され、それだけでも感無量でしたが、私にとっては母の没後ちょうど30年、認知症への理解がまるで無かった時代からの活動に対するご褒美を頂いたような気がしました。これまでの活動の歳月を、顧みずにはおれませんでした。
高林実結樹