《福井恵子さん 浦上賞受賞》
第3回目となる今回は、2013年9月27日〜29日の3日間、『匠と語り部の出会い — 多職種協働と地域連携 − 』というテーマの下、新潟市の朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターで開催されました。
開催後の大会事務局の集計では、参加者573名とのことでした。
全国各地から認知症予防に熱い想いを寄せる各職種が新潟に集い、3つの特別講演①新潟大学脳研究所 西澤正豊氏 「認知症者を地域で支えるために」
②筑波大学 朝田隆氏「わが国の認知症有病率と予防法開発」
③延世大学 南 銀祐氏 「認知症に関する最近のGlobal動向とWHOの政策」)と、
4つの教育講演
①高齢者アクティビティ開発センター 多田千尋氏 「アクティビティ・ケアが介護を変える」
②日本福祉大学 綿 祐二氏 「認知症にたいする利用者本位の介護とは」
③京都大学大学院 武地 一氏 「認知症を生きる人たちから見た地域包括ケアに向けて」
④大阪大学大学院 北川一夫氏 「認知症発症への血管危険因子の関与」)と、市民公開講座、
3つのシンポジウム
「認知症の早期発見と早期支援」
「多職種協働と地域連携」
「生活習慣病と認知症」があり、
そして119題の一般演題の発表が行なわれました。
27日と28日に行われた一般演題発表の中で、「スリーA」に関するものが4題ありました。昨年の第2回の日本認知症予防学会学術集会(於 北九州国際会議場)においてもスリーA方式の発表が4題ありましたが、今回は、増田末知子先生が、昨年の第2回学術集会後にスリーAに直接寄せられた多くの質問に答える目的で、より深く詳しくスリーAの内容を発表されました。
当法人からは、福井恵子さんが「寄り添う関わり優しさのシャワーで幸せな在宅ケア −スリーA認知症予防研修会を受講してー 」と題して、御自身のお母様の在宅ケアで、スリーAの真髄である優しさのシャワーを実践され、認知症の悪化の予防と引き戻しに8年間効果があったことを、優しい語り口の中にも力強く発表されました。
また、衣川美香さんが、「スリーA認知症予防教室における若年性アルツハイマー型患者への対応事例とその効果について」と題して、当法人が事業委託を受けて認知症予防教室を実施した際の若年性認知症の参加者の方の好転事例を発表されました。
他にも、京都府福知山市でスリーAを実践されている関係団体からも、「スリーA方式優しさのシャワーによる認知症ケアの効果についての実践」が発表されましたので、大勢の参加者の方々に「スリーA」を強く印象付けた大会でもありました。
そして前大会から、浦上克哉理事長の名前を冠した「浦上賞」が、一般演題の発表者の中から選ばれることになり、「スリーA」関係では、なんと増田末知子先生と上記の福井恵子さんが受賞されたのです。本当に喜ばしいことです。
この喜びを、これまで「スリーA」に魅せられて、活動を展開してこられた多くの関係者とともに分かち合って、ますますの原動力にしたいと思います。
私は今回、「認知症予防」をあらゆる立場の方々があらゆる角度から考察した学術集会に参加し、「スリーA」の持つ役割をいっそう強く感じました。
特に、『浦上賞』をいただいた今年は、まさに「スリーA」の新しい夜明けかもしれません。
どの講演者の方もどの演題も、認知症予防に真摯に向き合っておられました。医療・福祉の従事者をはじめ、認知症予防に係わる多くの人が、それぞれの分野で全力を挙げて認知症の予防を追及し、それを世に出して問い、希望を持って将来に進んでいきたいものです。
今回、「スリーA」と私にとって多くの収穫のあった秋でした。これからも「あかるく 頭をつかって あきらめない」で、多くの仲間と一緒に、優しさのシャワーをあらゆる場面で展開していきます。
記 中村都子