スリーAワークショップの報告と感想

『Weフォーラム 2014in福島&ふくしまガールズフェス2014』における
「認知症予防」スリーAワークショップの報告と感想

京都府亀岡市 正会員 平井知世

2014年8月9日、10日に開催された福島県郡山市でのイベントに福井恵子さんと一緒に参加させていただきました。

10日の第三分科会スリーAワークショップへの参加者は17名、途中見学者が1名でした。

最初に司会の方が流れを説明された後、福井さんから5日の東京フォーラムでの最新ニュース、認知症を発症された方の特性、スリーAゲームの実践の中で認知症の方の自尊心を傷つけずに優しさのシャワーをふり注ぐポイントなどのお話がありました。

私はその内容に非常に感動し、これはスリーAに関わる方だけでなく、社会福祉や医療の現場に携わる多くの方々に聞いてほしい内容だと感じました。

次に、福島でスリーAの活動をされている方やスリーAを学ばれた方が、スリーAに関わるようになったきっかけや、関わってからのご自身の変化、ゲームを受けた方々の変化などについてのご報告をされました。

そのお話の中で私がとても印象に残ったエピソードは、ある仮設住宅に福井さんとリーダーKさんが訪問された時のことです。
手違いでスリーAイベントの参加者不足(0)となった為、一軒一軒住宅を回って参加者を呼びかけ、集まったお年寄りにスリーAゲームを試みたところ、最初は怪訝そうな表情をされた方々が終わる頃には「また来てほしい、いろんなボランティアが来たけれどこんなに楽しかったのは初めて」と言われ、受ける前後でお年寄りの表情が大きく変わったというお話です。

もちろん、人を笑顔にするスリーA自体も素晴らしいのですが、さまざまな辛いご経験をされ傷ついた方々の心を解きほぐすほど、リーダーお二人のお人柄や優しさのシャワーの注ぎ方が見事であったのではないかと想像しました。

次は、実際に福島で活躍されているリーダー数名が、交代でゲームのリードをされました。
皆さん笑顔が素敵で流れるようなリードでしたが、今回の参加者は経験者が多い為出来があまりにも良く、ほとんどの方が間違えずにスムーズに進む為、普段の現場とは異なりリードし難い雰囲気だったと思います。
*指の体操など何方も間違えたり、お手玉回しでお手玉を貯めたり落っことししたりせずに進みました。

そんな中も笑顔を絶やさず、「誰も間違えないからリーダーが緊張して間違えてしまった」など笑いに持っていかれるところがさすが!と感じました。
また、ゲームにアレンジがあったり、説明の際に笑いを誘う言葉遣いがあるなど、実践の中での工夫があってとても勉強になりました。

司会の方がタイムキーパーもされていて、終盤に予定していたゲームを一つ中止し、リーダー以外の参加者にスリーAについての思いや今日の感想を聞かれました。そのことで更にグループに一体感が増し、一人一人を大事な存在と感じるようになりました。司会の方のその的確な判断、調整もとても素晴らしく私も今後取り入れたいと思いました。

最後に、福井さんが小林康子先生が「スリーAゲームを静観しての感想・意見」の集約されたスリーAゲームの持つ意味や効果についての文章を読み上げられ、ワークショップのまとめをされて終了となりました。

スリーAのワークショップに初めて参加した私にとっては、全てが感動で学びの多い時間でした。

現在私は、京都亀岡で月に一度、養成講座修了生や地域の方と共にスリーAの公開練習を行い、二か月に一度、老人ホームでスリーAゲームの実践をさせていただいています。

しかし今、仕事はケアマネであるため職場で実践の機会がほとんど無く、またアピールのしすぎか?スリーAの良さをなかなか理解してもらえないことに躓きを感じ、また自分の職場の利用者にはスリーAが必要だと強く感じるようになりました。

そして自分にはケアマネよりも現場が向いているのではないかと気づき、現在、異動願いを申請中です。

スリーAゲームは認知症予防の一つのツールであって、それをしていれば認知症を予防できるというものではなく、そこに込められた認知症を正しく理解してほしいという思い、発症した方に優しさのシャワーをいかに注ぎ自尊感情や記憶を取り戻していただくか、ということが目的なのだと再認識させていただきました。

今回、このワークショップにお誘いくださりお世話をしてくださった福井さん、素晴らしい時間を共有してくださった福島の方々、本当にありがとうございました!