地元で毎月1回開催される認知症予防教室で

去る25日、私は10時半開始、12時終了の地域包括支援センター主催、月1回の予防教室に行きました。
なんと41人もの参加者さん、レコード破りの多数でした。

初めて参加されたご夫婦がおられました。奥様は、ゲームに先立つ自己紹介からして、レベルが落ちておられるようにお見受けしました。奥様のリズム感覚を見定めながら、全体のムードに影響しないように、四分六ぐらいの感じで、レベル低めにあわせてゲームを進め、途中ではさむ説明も、理解しやすいように配慮しました。リズムのゲームでは、ルールの理解も難しいようでしたが、途中からリズムに乗ることができるようになると、イキイキとお顔の血色までもが戻ってきたように見えました。初参加での目覚ましい変化に、密かに感動しました。

認知症に入っておられる方の参加は、全体では4人でした。部屋の中の席までずーっと付き添い家族と一緒の方が2人、玄関からはご本人1人で来られるように自立的になった方は、広告パズルを一人で仕上げるようになっておられます。この三人は最近ではすっかり、めっきり、しゃっきり、にっこり、明るく見違えるように姿勢までスッキリしておられます。

大多数の方たちが自然体で、あたたかい気持ちで受容してくださっているのが、ひしひしと伝わってきます。このような良い雰囲気になったのは、初冬のころの教室に、親御さんと一緒に自閉症の娘さんが見学参加された時以来の明確な変化です。その時は、いつもと少し違う私のゲーム運びに、全くの自然体で優しく付き合って下さった、それ以来の、教室内における「社会変化」と言いたい、隣人愛の昇華と言いたいような変化が続いているのです。具体的に言いますと、ゲームの材料配りや机イスの片付けも、率先して手伝って下さるようになっています。誰のお陰かというと、自閉症の娘さんと1時間半という長い時間を共にし、共に間違えて共に笑い合ったお陰と言いたいのです。

私はいつも大きな声を張り上げて歌い、説明し、散会するとホッとしますが、此処ではまさしく、認知症を持ちながら、暮らしやすい社会になっていると、静かな喜びで満たされます。一般参加の方たちの、衰えた方への自然体での受け入れぶりが素晴らしいと、電気を消した後の大広間で、一人でバンザイを叫びたいほどの余韻に浸りました。リーダー冥利に尽きる思いです。
平成23年6月から始まった月1回の教室ですが、5年未満でたどり着いた成果だと、喜びのお裾分け報告です。