一昨7月11日、認知症専門のデイサービスに11回目、うかがいました。
月3回のぺースで曜日を変えて訪問していますので、毎回新しい方とのお出会いがあります。今回は2度目にお目にかかるけれど、ゲーム参加は初めての方C子さんがおられました。
ゲームは毎回、進め方を少しずつプラスしていますので、かなり基準のルールに近づくようになってきています。
教室第1回の時には、何人もの方がチョキの指が出来なかったのでしたが、今では皆さん当たり前のようにチョキが出来ておられます。今回初参加のC子さんは、チョキが出来ません。他の方たちは、チョキが出来ないC子さんに、不審げな顔を向けられます。すかさず全員で「グーは〜」、と問いかけつつ全員でグーをしまして、「指を一本立てて下さい」とお願いし、次いで「隣の指を立てて下さい」と、第一回と同じ言い方でチョキを誘導して、C子さんも皆さんに揃ってできました。
そこからは順調にいくかと思いきや、C子さんは、何もかもできない、と言うよりも、説明を丁寧に言っても、言葉がまるきりわからない風情でした。
お手玉廻しでは、C子さんは左の手の平にお手玉を載せる・・・、これができません。右の手でお手玉を掴む、これができません。右隣りの人の手に移す、これもできません。聴力に問題は無いのです。言葉の意味を行動に移すという脳の働きが断線しているとしか見えません。皆の注目を一身に浴びる形になるので、席を代わってもらって、私が隣に座って補佐をしながら皆でお手玉廻しやジャンケンゲームのリボン交換まで楽しんで頂きました。
終了となってから、C子さんが私に囁くように「トイレに行きたい」と言われたので、道案内をして廊下を進んだところで職員さんが追いかけてきて交代して下さいました。失語症とかではないのです。その方は上品なお顔立ちで、スタイル抜群で、楚々とした振る舞いで、穏やかで、お座敷の床の間の前に絹座布団が似合わしいような方です。歩行や発言は問題ないのに、頭の働きがスッポリ抜けているタイプの認知症・・・。初めてお出会いするタイプの方でした。
しかし嬉しかったのは、そのC子さんがリズムのゲームで、5段階加速法に乗って、リズムを楽しんでくださったことです。希望は持てます。また教室で、ぜひお出会いしたいものです。
この施設では、毎年近隣の民生委員ほかの地域役員さんとの話し合いの会が行われていて、次回の集まりでは「みんなの認知症予防ゲーム」が紹介されるらしく、とても光栄に思っています。