10月12日(曇りのち小雨)は、京都市南区にある「故郷の家・京都」の、認知症専門のデイサービスセンターに毎月3回、通い始めて19回目の訪問でした。職員さんとはすっかり顔なじみです。
利用者さんは、今日はお顔ぶれがいつもと少し違って、初めてお会いする方が、2人おられました。なじみ深いA子さんもB子さんもMさんも今日はお休みでした。
少しずつゲームに馴れていただいて、最近では自分一人だけの普通の自己紹介を取り入れる事が出来るようになっています。しかし今日初めての方はご自分の名前が言えません。その方の名前を職員さんは教える態度はとられません。皆が自然体で流して行く事が習慣になってきたことが私には満足です。人前では教えない、上手に出来ることを目的としない、と言う私の方針を会得しておられるのです。
日付の確認は皆で大きな声で曜日まで続けて言えるようになっていて、新顔の方も一緒に言えたつもりになってくださいます。レベル5まで進行しているC子さんは、前2回の教室体験と同じく、リズム加速が心地良さそうに、「兎と亀」「ドングリ」「でんでん虫」「故郷」まで歌声をピッタリ揃え動作もリズムに良く乗って心地良さそうに笑顔になっていかれます。違和感が少しもないのです。
ここまでは見学者がおられたとしても誰もレベル5の人とは信じないでしょう。ところがやはりお手玉は無理でした。右と左、掴む、摘まむ、隣の人に手渡す・・・、全て言葉の意味を理解出来ません。この状態でお手玉を始めることはまず不可能です。出来ないことで傷付けます。そこで私の得技と言いたい臨機応変で、全員諸共楽しむ時間に切り替えました。
皆が大きな椅子にゆったりと座ってテーブルを囲んだ状態のため、膝を手で打つなどの膝を使うことが出来ないのです。全てのゲームをテーブルの上で行うため、お手玉1個ずつ直接テーブルに置いて、置いたお手玉を弾くように、テーブルの上で勢いを付けて滑らせて、目標の相手にカーリング宜しく届ける、という新発明のゲームを始めました。
是が皆さんに大受けで、半泣きになりかけていたC子さんが上機嫌になって、皆で大混戦「そら、行け、えいっ」と賑やかなひとときを過ごして頂きました。
ジャンケンゲームも此処だけの特別ルールです。リボン5本を首にかけることが出来ない方も居られるので、5本とも手で持ったままです。ジャンケンに「負けたら一本プレゼント」から始めるのは標準通りですが、1対1でなく全体をテーブル別に2組に分けて始めました。移動が出来ないため、動かない特別様式です。
この時間帯は総勢7人でしたので、3人組と4人組に別れて、それぞれの勝者が最後に優賞決定戦としました。いつもはゲームに乗り気でなくよそ目で見て居るだけの女性が燃えるようにジャンケンで活気づかれて、優賞決定戦で惜しくも準優勝でしたが、初めてのご参加で、是までの冷ややかな彼女とは別人のようでした。
最後のゲームは小太鼓でアリランの歌の合唱を、二遍、三遍、四遍と繰り返し、私が韓国語の歌を間違いなく歌えたら、終わりです。韓国語の歌詞を、一生懸命に家でくり返し歌って覚えて行くのですが、いざ太鼓を叩いて大声で歌うと、詰まったり、発音をチョット間違えてしまうので、何度もやり直しになるのが皆さんには殊に楽しいようです。太鼓が最後というのも臨機応変の此処だけの特徴です。
帰りは天気予報通り小雨で、秋の気配が濃くなりました。