2004年に設立した当NPO法人の願いは、認知症本人も家族も、明るい気持ちで暮らせる社会になることでした。これは甘えではなくて、深く広い偏見の中では息が詰まる、生きていけないからです。気を取り直せるように、思わず笑ってしまう楽しいゲームの普及をめざして、手探りのような、ガムシャラなような活動に入りました。それが5年後には東京以西沖縄県まで、1都・2府・10県に拡がったのでした。
更に10年後の現在では、43都道府県に拡がっています。「みんなの認知症予防ゲーム」が良いからこそでしょう。韓国・アメリカへも共感者のお陰で広がってきました。携わられた一人一人が良いと感じられてのことです。
日本語テキストは、韓国語に翻訳されました。アメリカやカナダ、中国へも個人的には届いています。
テキストを読んだだけの女性が、認知症のお父様と指遊びから始めて、言葉集めゲームまでも家庭で楽しまれた、というお便りも頂きました。
ゲームの真髄だ、コツだ、20種類だなどと言わなくても、ひととき楽しい思いになるだけでも、家庭に笑い声が復活するだけでも良いのでは、と思います。その意味で私は、気楽に楽しむ派、コツを言語化して有効性を広報する派、どのような派もOKと思うのです。中には聞くもビックリな癖に傾いていく教室の噂を聞きますが、その地域においては無いよりはずっとずっと良い、閉じこもりを防げるだけでも良いではないかと、思うのです。
ゲームリーダーを育てようと立ち上がってくださる、当NPO法人の認定講師たちを含めて、ゲームリーダー1人ずつの活動によって、社会全般の認知症に対する偏見打破へと、自然になっていくに相違ない、自然になっていくのが、とても良いと思うのです。嬉しい共生社会、誰もの身の回りに拡がってほしいものです。