講 師:NPO法人認知症予防ネット 名誉理事長 髙林実結樹
【なぜ認知症にだけはなりたくないと誰もが言うのか?】
治る筈がない? 人格を失って行く? 家庭が崩壊? 介護殺人までさせてしまう?
【認知症の症状】
◆物忘れ ◆理由の分からない突然の激怒・暴力 ◆幻視(幻覚)。
認知症には物忘れから始まるアルツハイマー型の他、80ほど種類があると言われ、重度化へと進行していく。進行とは、アルツハイマー型から始まっても、レビー小体型、前頭側頭型など、他の症状が加わって、脳の衰えが広範囲に及ぶこと。
【認知症の人への接し方】
物静かに、返事を求めない平穏な声掛けを。「おはようございます」「朝から暑いですね」。返事が無くても穏やかに流す。物忘れ以外の不審な症状はメモして、医師への報告を心がける。
【認知症予防でめざすものは】
予防とは、健康な人だけのものでなく、発症した人には進行の予防と改善、重度化した人にもそれ以上の悪化予防と改善が重要。認知症になった人を排除して、健康な人だけが予防するような狭い考えは自己中。社会全体の幸福を願い、理性ある健全な共生社会に格上げする。認知症予防教室の全国展開を願っているが、認知機能のレベルが混在している教室が理想。全員が同時に楽しめて、脳機能が活性化するようにと、頭と体を同時に使い、小さな良い刺激を次々と行うので、一般参加の方の理解が深まり、共生社会がその場で実現する。じわじわ広がりますように。
【ゲームの効果】
◆脳梗塞後遺症をもつ人が、認知症予防ゲームの途中で「指が動いた」と叫ばれた(京都府)
◆精神病院でゲームを試行、参加者(患者)が笑顔で隣人と会話を交わした。(神奈川県)
◆老健施設入所で、寝たきりで何にも無反応だった人が、寝台のままゲームに参加し笑顔になられて付き添いの職員が驚いた。(栃木県)
◆全てに消極的だった軽度の方が見違えるように積極的になられ、医師のテストでパーフェクトに答え医師が驚かれた。(京都府)
◆何年も放置していた毛糸編み物を取り出して、仕上げられた。(京都府)
◆若年認知症で退職、重度に進行した人が、週1回教室の10回目頃から明るく冗談を言い交わすように変化。一週間前の約束を自ら果たすなど、記憶力も生活能力も改善された。(京都府)
【2025年問題の市民で出来る対策】
◆認知症を改善出来る教室とは、社会全般がレベル混在であるのと同じく、テスト無しで誰でも
参加できるレベル混在教室で「みんなの認知症予防ゲーム」を実施し、効果を挙げる。
◆脳機能テストが簡単にできるタッチパネルが公共機関に設置されるようになってきた。半年ごとの自己検診で早期発見が出来るようになった。認知症は、重度からの改善例も国内外で少なくない。