双岡と衣笠山の間にできた教室で

京都市内の古い友人が、個人の活動で、地域の高齢者に呼びかけて、スリーA方式の認知症予防教室を、自治会の集会室で月に2回開催を始めてくれました。
 会場費を自分のポケットマネーで! その意気の熾んなこと!!
 教材その他必要品は私の担当です。参加者から実費徴収する予定が、会場の趣旨に反するとかで、集金×になりました。なんのそのでした。誤算と言えば誤算、経営的にはイビツです。でも二人の密約(!)で、「誰かがはじめないと世の中は動かないから」と、これを3月まで継続する予定です。

 JR奈良線を京都駅で乗り換えて、嵯峨野線の駅を降りると、ゆるい登り道をゲームの諸道具とともに20分余り歩きます。子どもの頃の縄張りだった懐かしい地域とは言え、後期高齢の身では唱えごとを耳に聞かせないと足が進みません。
 「来年よりは今のうち」「千里の道も1歩から」。
 時雨がくると「時雨を急ぐ紅葉狩り」と風流ぶって歩きます。荷物があるから傘は差したくないのです。
ところが、嬉しいことが待っているものですねえ!!

…今日の教室では初めての出来事がありました。シーツ玉入れの時に、一人の方が、必死になってシーツの端を目の高さに掲げられるので、ボールが全部相手チームのポケットに転がりこむのです。隣の方が「下げて! 下げて!」と言う声も聞かばこそ、…なのでとうとう3回戦ともゼロ敗になりました。3戦3勝のチームにも猛者がいて、片手で自陣のシーツをぺたんと押さえて低くして居られたのです。一生懸命なお二人の珍プレーに皆が大笑いしました。反則であろうと皆が心底楽しかったら全て善しです。

そのあとで、刮目にあたいする事件(?)が起きました。お二人は参加者のなかでも特にご高齢です。終ってから誰ともナシに「お手玉を」と言われて、かたづけたのを出しましたら、「昔はこうして…」と言いながら、お手玉3個使って、曲芸のような少女時代の遊びを披露されました。その真似をして他の二人の方も3個の遊びを始められ、名人級の腕前に皆が驚いたのです。
 得意そうな笑顔で、「100回は続けたのだが」と30回ぐらいしか続かないのを悔しがられました。私は「3個、好きな色のを家に持って帰って、お嫁さんやお孫さんに教えてあげて下さいよ」といいましたところ、「あら、いいかしら」と喜ばれて、好きな色を選ばれました。いそいそ気分です。ほのぼのしました。
 別の二人も3個ずつ持ち帰られました。3個使うお手玉遊びはスリーAゲームではありませんが、家族におばあちゃんの特技を披露される機会の提供というわけです。

3軒のお宅で、今夜は、家族団欒が少し、いつもと違う形で実現したでしょうか?