Rはとても優しい子です。
親友Hの弟2人の相手を何時間でも平気でします。
Hの弟が「今日○○とケンカした」と言えば、ケンカで負けない技を教えます。
トランプやオセロも、Hのチビ弟(小1)に合わせて相手をしてやります。

そして、その合間に、Hの母Yに、学校であったことをつぶやきます。
「今日○○にまたイヤなこと言われた。だからケリ入れてやった」
「友達とケンカしたら、先生はRばかり注意する」
家族のことも遠慮なくおしゃべり。
「お母さんは自分(R)がかわいくないんだ」
「お父さんは仕事しか興味ない人」
「おばあちゃんは口うるさい」

それでなくても子ども3人のにぎやかな家に、もう一人子どもが増えたような毎日。
その上、Rが来ると、H弟2人はさらにパワーアップ。
Yは階下のお宅が気になりつつ、4人が楽しそうにワイワイしている姿を見ていると、
なぜだかとても心があったかくなるのでした。

そんなある日でした。
『その時』が訪れたのは・・・

(つづく)