子どもを守る 『社会からの二次被害』

昨日の「ティーンズネットふわり」の企画会議の中で、『レッテル』の話題がありました。
簡単に要約すると次のとおりです。
【性的な被害に遭った場合は、「傷物」「将来に悪影響がある」などという『レッテル』を貼られることにより、
被害に遭っても黙っていようと思ったり、隠そうとする人が多いのではないか。
この『レッテル』こそが、一番の被害ではないか?】

子どもを守る 『被害者像の誤解』の最後の「被害者が悪い?」にも書きましたが、
被害を受けた人が、その事件の後、様々な人とのかかわりの中で、さらに被害を受けることがあります。
『二次被害』の多くは、性的な被害を受けた人の心の傷を身体の傷と比較して、
軽く扱われることで発生します。

しかし、性的な被害を受けた時、その人の心の傷は軽視される一方で、
その人に対する周囲からの存在価値、あるいはその人が自分自身に対する存在価値を
非常に低くしてしまうということが起こります。
それが、『レッテル』です。
この『レッテル』は、社会からの大きな二次被害です。

この『レッテル』は、さらなる副次的な被害を招きます。
三次被害、四次被害・・・

性的に搾取されることは『魂の殺人』と言われているように、その傷は決して小さくはありません。
それなのに、身内などの親しい人や信頼されるはずの専門職の人によって、
その心の傷を軽視され、心無い言葉を浴びせかけられたり配慮が得られなかった場合、
もともとの被害そのものより、その後長く長く、深く深く、苦しめられることもあります。

しかし、心の傷は必ず回復します。人生終わりではありません。
ケアを受ければ、その人らしさを取り戻すことはできるのです。
どんな被害を受けようと、受けまいと、その人の存在の価値にはなんら影響はないのです。
世界でたった一人の大切な大切な存在なのです。