JR福知山線列車事故 『被害者に新たな心の傷を与えないために』

今朝のNHKのニュースで、NHKがおこなったJR福知山線列車事故の負傷者への調査報告が
報道されていました。

その報道によりますと・・・
 「事故後周囲の言動で新たに心に傷を負った」に「はい」と答えた人
 43%

ほぼ半分の人が、なんらかの二次被害(事故後の新たな傷)を経験されているようです。
二次被害は、二次被害を与えている側が、被害を与えているとは気づかないことが多いものです。
今後、負傷された方々が、徐々に心身の傷を回復されるために、私たちがほんのちょっぴり
言葉に気をつけてみませんか?

(%青点%)二次被害の典型的な例(%青点%) 
 ● 思わず負傷者の非をとがめる 例「もっと早く家を出れば事故に遭わずに済んだのに」
 ● 叱咤激励 例「いつまでも引きずってないで前向きにならなきゃ」
 ● 他の負傷者との比較 例「○○さんは電車通学できるようになったらしいよ」
 ● 勇気付ける 例「その程度の怪我、どうってことないよ」
 ● 原因探し 例「前世のたたり」「宗教心が足りない」「日頃の行いが悪いから」
 ● 将来を悲観する 例「将来が台無しになってしまったね」「結婚できないかもしれないわよ」
 ● その他 「まだそんなこと言ってるの」「忘れた方がいいよ」「もう1年経つのだから」 

 などなど・・・

ここに書いたのは、ほんの一例です。
せめて、これだけは、できるだけ言わないように気をつけたいですね。
もう言ってしまった人は、これから言わないようにしましょう。
負傷者の方々それぞれ、考え方、価値観、年齢、立場が違いますので、
同じ言葉でも、それぞれ受け止め方は違いますので、ケース・バイ・ケースです。

現段階で、負傷者やご遺族の方がもっとも辛いのは、世間から事故が忘れ去られることのようです。
事故に遭った場合、時間軸が世間一般と大きくズレが生じます。
なぜなら、“あの日のあの時”で、自分の中の時計の針が止まってしまうからです。
その針がいつ動き出すかは、個人差があります。
なので、世間一般の時間軸と事故に遭った人のそれとが一致するまでには、
気が遠くなるほどの時間が必要なのです。
世間はきっと「もう一年」と思うでしょう。
でも、当事者の方々には「まだ一年」「やっと一年」・・・年月の流れさえもぼやけているかもしれません。
「あの日」からの時間の流れは、あの列車に乗っていた人それぞれ皆違うことでしょう。
そして、ご家族の方々にとっても。
その一人ひとりの「針」の動きに、周囲が合わせるのは非常に難しいことです。
でも、目の前の人にはその人なりの「針」があることを、ちょっと想像してみませんか?