悩みが生じたとき、メールや電話で友達に相談して回復していく子や
チャットで見知らぬ人に相談して乗り切っていく子がほとんどの中、
中には、携帯電話のカメラ機能を悪用し、いじめや性的加害行為を繰り返す子がいます。
出会い系サイトを利用して、援助交際の相手を見つける子や援助交際を斡旋する子までいます。
あるいは、盗品を売りさばいたり、詐欺をはたらく子もいます。
携帯電話が普及したことで、子どもの問題行動に新たな問題が浮上してきました。
携帯電話は、手軽に、場所や時間を選ばず利用できることから、
子どもは、手軽に、場所や時間や相手を選ばず、非常に身近なところで、深い考えなしに、
相手を傷つけていることも法に触れていることの認識もないままに、
大人の想像を超えて、自らを傷つける行為や悪質な加害行為・犯罪行為に及んでしまっています。
もちろん、こういった子どもは一部です。
携帯電話によって、子どもを問題行動に向かわせることが増えたかどうかは分かりませんが、
子どもを取り巻く環境が大きく変化したことは否めないでしょう。
しかし、全ては携帯電話が原因だとするのは、あまりにも短絡的です。
ゲーム世代の子どもは、機器類を使いこなすのはお手の物。
彼らにしてみれば、ゲーム機同様、楽しんで使っているに過ぎません。
しかし、ゲーム機とは明らかに違うものであることは、大人は誰も否定しないと思います。
でも、子どもはどうでしょう??
携帯電話を悪用している子どもにとって、全てはゲーム感覚。
自分や他者を傷つけていることも、ゲーム感覚程度にしか感じていないように感じます。
「暴力」を自分や他者に向ける子どもを理解するためには、
子どもの養育環境や人間関係にまで目を向ける必要があります。
携帯電話を悪用する子どもの問題は、実は携帯電話の機能の問題ではありません。
大人の想像をはるかに超えて、様々な世界を自在に行き来する子ども達。
そんな子ども達の心の問題、声無き声に、私達はもっと耳を傾けなければならないのではないでしょうか?