kiralaの相談ルームには、いじめを受けている子どもからの相談がたくさん入ります。
主には電話相談ラインですが、なかには面接によるカウンセリングにおいて
お話してくれる子もいます。
その子達は、みんな一様に「誰にも話せない」「今はじめて話します」と言います。
日ごろの人間関係とは縁が薄い人でなければ話せないことなのかもしれません。
安心して話せる環境にある場だからこそ、話してみようという気持ちになるのかもしれません。
でも。
子ども達は、こうも言います。
「親にわかって欲しい」「親に気づいて欲しい」
子ども達はなぜ親に話せないのでしょう。
それぞれ、事情も理由も違います。
ある子どもは、幼稚園の頃、友達とケンカした時に親に言われた言葉を思い出しました。
「殴られたら殴り返せないようじゃ強い大人になれない」
またある子どもは、日常的な親の言葉を取り出しました。
「男の子なんだから、しっかりしなさい!」
別の子どもは、「親に心配かけちゃダメよ」と祖母から言われた言葉を思い出しました。
日常的な親の言葉を思い返し、今自分の身に起こっていることを親に話をしたら、
親からどう言葉が返ってくるかを子どもは予測します。
そして、それが自分にとって、救いになるのか、より自分を追い込むのかも考えます。
その結果、「親には言えない」と判断している子どもは、救いを求めてkiralaに相談してくるのでしょう。
辛いこと、苦しいこと、自分一人では乗り越えられないようなことが起こったとき、
親が助け舟を出してくれるのか、親さえも味方になってくれないのか、
子どもにとっては、とても大きな分かれ道です。
願わくば、「味方」になれる親でいたいものですね。
子どもが親を「味方」と思うかどうかは、親の立場やいざというときの行動力ではなく、
どうやら日頃の親子の会話にかかっているようです。
kiralaでは、その子が最も理解して欲しいと思う人に、どのように話をができるかを
一緒に話し合います。
どの子も、しっかりした考えを持っているし、ちゃんと自分の言葉を持っています。
子どもが何かを訴えようとしている時、大人はちゃんと聞いてみませんか。
支離滅裂で、話も前後するかもしれませんが、
テレビも消して、新聞も置いて、料理の手も止めて、子どもの顔を見て、
全身で表現しようとしていることを受け止めてみませんか?
かけがえいのないわが子のために。