ドメスティック・バイオレンス

最近、関東の夫婦間に起こった事件報道から、
DV(ドメスティック・バイオレンス)のことが話題となっています。
DVについては聞いたことがある人は多いと思いますが、実はよく理解されていない人も少なくないようです。
そこで、DVについて基本的なことを書いてみます。

■DV(ドメスティック・バイオレンスとは)
 
 2001年4月に「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律」(いわゆる「DV法」が成立し、国および自治体は、配偶者からの身体的暴力、心理的暴力、性的暴力を防止するとともに、被害者保護の責務を有することとなりました。
 
 具体的には、殴る、蹴る、物を投げつけるなどの身体的暴力、「殺してやる」「誰のおかげで食わしてもらってると思ってるんだ」などの暴言を吐く、生活費を与えない、行動を厳しく干渉する、強引にセックスをする、相手が望まない性的な行為を無理やりする、避妊に協力しない、などの行為を言います。

■DV家庭には虐待も

 子どもがいる家庭でDVが起こり、両親間の暴力を見ていたり、感じながら暮らしている子どもにとっては、DVは「児童虐待」にもなります。
 加害者からの暴力が直接的に子どもに向かう場合もあります。

■DVの被害者

 DVとは無縁だと思われている方の中には、DVの被害者というと、見るからに暗い表情をしていて、いつもおどおどしていて・・・という先入観が強いようです。「いつも明るいあの人がDVを受けているの?うっそー!」という言葉を世間話で何度となく聞いたことがありますし、テレビのキャスターも言ってました。被害を受けていて顔や体にあざを作って痛々しい場合もありますが、傷は見えないところに(衣服に隠れていたり、心のなかに)あるかもしれません。
 
 また、「そこまで暴力を受けているならどうして逃げないの?」という声もたくさん聞こえてきます。繰り返し「無能だ」「バカだ」「死ね」と言われると無力感を抱いてしまいます。また「離婚するくらいなら殺す」と脅されていることもあります。
 一度誰かに相談したり助けを求めたために暴力がひどくなった場合は、二度と逃げようと思わなくなります。
 子どもの学校の問題や生活を考えて、躊躇していることもあります。
 しかし、最も多いのは「この人にもいいところがあるから、そのうち改心してくれるかもしれない」とかすかな希望にすがっていて、別れきれないことです。

■DVの加害者

 DVの加害者は、常に人と場所を選ばず暴力的な人もいれば、いわゆるエリートで人当たりもよく家庭の外では「いい人」もいますし、職場では「できる人」も多いです。

 パートナーだけに暴力をふるう人もいますが、子どもがいれば子どもにも虐待をする人が多いです。

 加害者自身がDV家庭か親から虐待を受けて育っていることが多いようです。
 虐待とは、殴る、蹴る、タバコの火を押し付けるなどの身体的虐待と、食事を与えない、お風呂に入れない、閉じ込めるなどのネグレクト、過度な干渉、言葉の暴力である心理的虐待、子どもの身体を触ったり自分の身体を触らせるなどの性的虐待があります。

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DVは、その背後にとても複雑な問題を併せ持っています。
それは次回に。