京都教育大生の集団準強姦事件に思うこと 2

本日は、心理的な立場から書いてみたいと思います。。。

(%エンピツ%) 「強姦」に対するイメージ
報道によると、被害に遭った女性は、大学内の大勢が集まるコンパに参加するために居酒屋に行き、そして自分の手でお酒の入ったグラスを口に運び、一気飲みもしたようです。そして、酩酊状態になって、別室に手を引かれて連れて行かれ、そこで6名の学生から被害を受けたということでした。
この状況について、様々な考え方がネット上でも書かれているようです。
かつて、加害者が知り合いであったり、被害者が自分の足でそこに行った場合は強姦罪が適用されなかったり、また自分でお酒を飲むなどした場合は準強姦罪が適用されなかった時代もありました。一般的に強姦とは“包丁などで脅され、暴れ回って抵抗しても抑え込まれて、殴られ、手足を縛られ、強引に性的行為をされるもの”といった印象があるようですが、実際の強姦でそのようなケースは稀です。
抵抗したら殺されるかもしれないという恐怖や、何が起こっているのかわからないと判断力が働かないなどの理由から、ほとんどの強姦や強制わいせつ事件では、被害者は身体に怪我を負うこともないですし、大声を上げて抵抗することもないと言われています。

ではここで、ちょっと考えてみましょう。

(%エンピツ%) 「合意」とは?
被害に遭った女性は、コンパへの参加が目的だったはずで、集団によって性的行為をされるために参加したわけではないはずです。女性が、その時に、第三者から見てどんな様子であっても、性的行為を望んでいたとは誰にも言えないはずです。
上記に書いた一般的な「強姦」というステレオタイプの印象がある限り、そうではない「強姦」を目の当たりにした時、「それは強姦とは言えないんじゃない?」「抵抗していないから『合意の上』でしょう?」と言ってしまいがちですが、被害に遭った人にとっては、周囲のそう言った言動は、受けた被害と同じくらい、場合によってはそれ以上のダメージを受けます。

(%エンピツ%) お酒を飲んだら何をされても仕方ない?
飲み会の席で受ける被害は、とても多いものです。
酒の席で、手にしたグラスにアルコールが含まれていると分かって飲んだ場合、そこで被害を受けてしまったら「お酒を飲んだのだから仕方ない」という考えが一般的に多いようですが、被害を「酒の席だからそれは被害でない」と言う根拠はどこにもありません。
今回の事件でも、被害に遭った女性が責められることは、未成年であったことを除けば、ないはずなのです。
また、飲酒を目的に参加したとしても、強制的にアルコールを摂取させられていいとは言えません。もしも、周囲から一気飲みを強制されていたとしたら、アルコール摂取についても、強制的と言えるでしょう。その場合は、たとえ自分の手でグラスを口に運んだとしても、自分の意志とは言えません。そして、その結果、酔って抵抗する力がなくなった状態で、望まない性的な行為を受けたのなら、被害という以外にありません。

(%エンピツ%) 被害に遭った人には「落ち度」はありません

被害に遭った人の落ち度を指摘し、非があるとする言動は、被害に遭った人に対して「二次被害」を与えることになります。

*昨今では、双方知り合いであっても、たとえ夫婦であっても、また身体的暴力を伴わなくても、「強姦罪」「強制わいせつ罪」が適用され、強姦罪の場合有罪になれば実刑になることが多いようです。