昨日、かねてから、このブログでもご案内していた、
同志社大学:今出川キャンパス「寒梅館」ハーディホール
での特別シンポジウム、「JR福知山線事故の本質」が、
無事に終わりました。
このシンポジウムは、同志社大学ITEC
(技術・企業・国際競争力研究センター)と
ASTEM(財:京都高度技術研究所)との共催で
行われました。
シンポジウムの趣旨は、以前ブログでも書いたように、
専門家によるこの事故の科学的検証と、
現段階の調査・捜査実態、そして解明への状況分析、
さらに、事故当事者などの声を通して、真に安全・安心な
公共鉄道機関実現への希求。
この事故で大怪我をし、その後、主催のITEC副所長:
山口栄一先生と偶然の出会いをされ、大変な作業を経て
共著で本を出された宮崎千通子(ちづこ)さんと、その
ご家族とも初めてお会いしました。
また、現在、同志社大学4回生で、事故時、最後に救出され、
大怪我を負って大変な試練を抱えることになった林浩輝さんとも、
初めてお目にかかり、お話しすることができました。
山口先生はじめ、諸先生方のお話は、2年6ヶ月経って、
初めて成された科学的見地からの警鐘、
そして明解な論理からの事故原因究明への道筋で、
まさに、事故の本質に迫る内容、本当に貴重な投げかけ
だったと思います。
山口先生のご本を拝読しても感じましたが、
先生の視点は、企業の社会的責任にも及び、
JR西日本のみに限らぬ、企業の真のCSR(Corporate
Social Responsibility)とは?、企業の社会貢献とは?
を問いかけられます。
これは、日本が戦後歩んできた歴史、例えば、
モンスターのような高度経済成長期や、バブル期、
そして、失われた10年とも呼ばれる時代を経て、
今、一番必要で、求められている視点ではないでしょうか?
『会社の目的は営利の追求ではない。その目的は、
「社会のため、今この世にない何かを創り出すこと」である。
創り出された何かは、社会に評価され価値づけられる。
・・・中略・・・
今までこの世になかった価値を創り出すことこそ、
イノベーションだ。会社とは、イノベーションを世に送り出す
主体なのである。』
(JR福知山線事故の本質:第3章 p.199)
今回の事故で、JR西日本が真にCSRを考えて再生するのならば、
世の中からの見方もまた変わるかもしれない。何よりも、社員の
モチベーションに影響を与えるのでは?とも思いました。
いつも「あいだ」の立場にあり、その持ち場を守り活動する者として、
今後は、この提示を受けて、何をすればいいか・・・。
これだけの大きな犠牲を払って何かが変わらなければ、
あまりにも無念です。
その追究の手は緩めることなく、また、変革の意志も
大きなネットワークを構築しながら拡げていきたい。
※ 雲一つない晴天、爽やかなお天気で、寒梅館6階からは
東山の連なりがとても綺麗に見えました。