次女の卒論研究の付添い(?!)と称して、
〜大原美術館を心ゆくまで楽しむ旅〜を実行中。
宿泊先も、美術館のすぐそばにしたので、まるでお庭のよう・・・。
気軽に、何度も出たり入ったりして、こころ豊か・・・。
(現館長の高階秀爾さんをホテルでお見かけしました)
大原美術館が、倉敷の実業家、大原孫三郎氏によって
創られたのは有名ですが、昭和の初期(1930年)に、
日本最初の西洋美術中心の私立美術館を創設しようと
考えたこと自体、その先見性に驚かされます。
今回は、17年前に訪れた時には気づきもしなかった文言を
見つけ、新たな視点で美術館に触れることができました。
それは、大原孫三郎氏の信念、つまり、
『社会から得た利益は社会に還元する』
孫三郎氏は、先代から受け継いだ実業だけでなく、
社会貢献事業にも、精魂傾けて取り組まれたと・・・。
その精神は、現在にも引き継がれており、
「民」が「民」のために「民」を豊かにする「公的な」
事業実施の姿勢が、随所に感じられました。
創立75周年を機に、「第三創業基金」の募金活動が
なされています。
絵を見る合間に、休憩で入るカフェ「エル・グレコ」は、
17年前と変わらない、でも、古臭さを感じさせない。
子どもの頃に住んでいた、古い洋館に似ているのか、
この空間にいると、何か懐かしい気持ちになる・・・。
「古さ」が「風格」となるか、ならないか、
どこにその境目があるのでしょう・・・。
実業の世界での利益が社会へと還元されたことで、
現在も、多くの人々がこころ豊かな時間と空間を
分かちあうことができる・・・。
大原孫三郎氏が、社会貢献的な考え方に至る
大きなきっかけを与えたのは、「石井のお父さん」こと
石井十次氏とか・・・。
「持念」・・・いい念(考え)を持ち続けること
「留意」・・・こころを今に留めること、先を思い煩わない
「虚心』・・・いつも素直な心でいること
昔、お世話になった方に、こんな言葉を聞きました。
何かを成し遂げることは、不断の努力の結果・・・。
また、アート(芸術)は、「平和」なくしてはあり得ない、
社会が大らかでなくては・・・。
「温故知新」:故き(ふるき)を温ねて(たずねて)、新しきを知る、
この壮大なアート空間に浸りこんだ数日間で、
思索的な「宙」(とき)を過ごし、見定める方向を確認しました・・・。