地名の由来を調べるシリーズ(薬王寺編)

元気作戦が始まってはや1年...。

 いろいろな取材などを通じて、景色とか食とかムラの魅力については、だいたい分かったつもりです。で、ふと思ったのですが、「なんで○○って呼ばれるんかなぁ。何か由来があるのかなぁ」「いつから○○って呼ばれてるんかなぁ」。もっと早く調べないとね。

 ちょっと図書館に行って調べてみました。

 まずは、豊岡市但東町の薬王寺(やくおうじ)集落から! 

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 円山川に注ぐ出石川支流薬王寺川流域に位置します。地元では「やこうじ」とも発音するようです。

 集落内にある大生部兵主(おおいくべひょうす)神社は天王さんとも呼ばれ、境内の乳銀杏の木の皮を持ち帰り煎じて飲めば、お乳が出るようになると言われています。すごい伝説やなぁ。
 「兵庫県神社誌」によれば、用明天皇皇子麻呂子親王が丹後国竹野郡の賊を退治するために江笠山に鎮座する牛頭天王に祈願し、683年には社地を移して牛頭天王を祀ったと言われています。さらに、854年には現在地に遷座されました。

 「薬王寺」については、鎌倉期から既にこの名称が見られます。弘安8年(1285年)の但馬国大田文に「薬王寺 十三町五反二百七拾分〈聖護院御領 地頭葺山七郎家貫〉」とあり、「薬王寺」ということばが出てきています。
 地名は「大生部兵主神社」の別当地であった「薬王寺」(現廃寺)が伽藍を構えていたことに由来すると言われます。また、お寺の所領田が荘園化し、集落になったと言われています。

江戸期から明治22年までは「薬王寺村」と呼ばれ、明治22年からは高橋村、昭和31年からは但東町の大字となりました。

 すごい歴史ですねぇ。調べてみたらおもしろいです。

 また、他のムラも紹介していきますね。

 参考 : 兵庫県の地名ⅠⅡ(平凡社)
 角川日本地名大辞典「28 兵庫県」(角川書店)