春、別れと出会いに心を痛める子ども・若者

毎年言われることですが、日本では春は「別れ、出会い」の季節です。日本の桜は美しい。しかし、見事に咲いたかと思うと、春の雨・嵐で散るのも早く、落ちた花びらは通る人たちに踏みつけられるか、或いは風に飛ばされ行く方知らずの運命を辿ります。
庭の木々・広葉樹も同じです。古い葉っぱが散り落ちた後に、新しい芽・葉が艶やかに萌出ります。情感を重んじる(?)日本人はこの姿・有様を喜んだり、嘆いたりします。

さて、子ども・若者にとって、この季節をどのように思っているのでしょうか。長年一緒に遊び、学んだ友達・環境と別れ、違う環境・出会い(学校、社会)に巣立っていきます。新たな出会いを待っていた者には楽しい季節ですが、望まない者には、何ともいえない苦しい・試練の節目になるようです。

「長屋のおっちゃん」グループを立ち上げてから4月1日で1年を迎えましたが、データーを見ると相談室チラシを持って帰られた人、相談室に来られた人の数は5月、6月にピークを迎えていました。「苦しい・試練の節目」がくっきり現れています。私たちは子ども・若者に元気になって欲しい、力強く明日に向かって旅立って欲しいと願って、グループを立ち上げたのですが、まだ十分に役割を果たしていません。

先日、駅前でチラシ配りをしていると、高校に入ったばかりと思われる女子学生が1枚ください、と言ってきました。おっちゃんは「ハイ、どうぞ!何かあったら相談室に来てね!」というと、「ありがとう!」と言って、チラシに書かれていることを読みながら遠ざかっていきましたが、新緑を見たようなすがすがしい気持ちにさせてくれました。