丹波地域の「森・里づくりフォーラム」開催

2月16日、丹波の森公苑にて、丹波地域の「森・里づくりフォーラム」(主催:兵庫県丹波県民局、篠山市、丹波市、(財)兵庫丹波の森協会)が開催されました。丹波地域では、平成19年度から、環境保全などのCSR活動の場を求める「企業」と、山林等の管理が困難になっている「地域」の協働によって、里山の維持管理などを行う『企業の森・里づくり』が始まり、現在5地域に拡大しています。フォーラムは、5地域の活動の発表と交流を通じて、さらなる拡大をはかることを目的に開催されました。
Photo:奥氏の基調講演

5つの地域の森林の名称(所在地):企業名、地元団体名は、●油井鎮守の森(篠山市油井):三菱電機(株)神戸製作所、油井生産森林組合、●曽地中里の山づくり(篠山市曽地中):NPOエコラ倶楽部、曽地中自治会、●遠阪アサヒの森(丹波市青垣町遠阪):アサヒビール(株)西宮工場、遠阪森づくり協議会、●篠山宮代の里(篠山市宮代):(株)阪急阪神交通社ホールディングス、宮代自治会、●神船・大名草の森づくり(丹波市青垣町大名草):三菱重工業(株)、(財)神楽会、大名草自治会です。
Photo:「企業の森」の分布

フォーラムでは、内田貞雄県民局長のあいさつ、酒井篠山市長と辻丹波市長による地域紹介のあと、奥敬一氏(独立行政法人森林総合研究所関西支所主任研究員)の基調講演がありました。奥氏は、但馬地域には住民が力を合わせる意味の「合力」という言葉がある。この言葉のように、まず地域の住民が地域づくりに力を合わせる必要がある。加えて、農山村地域に魅力を感じる都市住民や企業、大学などの力を活用してはどうか。都市域に比較的近く、地域づくりの伝統のある丹波地域では可能であると話されました。
Photo:会場風景

ついで、5地域の企業・団体による活動の発表、地元団体のコメントが行われました。企業・団体側からは、丹波地域のゆたかな緑や新鮮な空気、季節ごとの食べ物などが魅力であり、丹波に「ふるさと」をもちたい社員が多い。地元側からは、荒廃した森林環境の回復(間伐、広葉樹への転換、遊歩道整備など)に、企業の力を借りたいなどと話されました。また、年数回の里山での活動以外にも、相互に訪問し合うなど、親密な交流を続けたいとの意見も双方から聞かれました。
Photo:「企業の森」の活動風景(県民局発行の冊子より)

フォーラムには、丹波地域一円から約150名の参加者があり、講演や発表を熱心に聞かれていました。フォーラムに参加したことによって、「私たちも同じような取り組みをしたい・・」という地域が現れ、「企業の森」が広がっていくことが期待されます。
丹波の森研究所は、これまで、企業の森づくりの「ガイドライン」の策定、企業と地域による協議会の立ち上げなど、初動期の活動支援を行ってきました。これからも、「企業の森・里づくり」をはじめ、様々な場や機会を通じて、丹波地域の地域づくりや活性化に貢献したいと考えています。
Photo:5地域の企業・地元関係者