丹波の森研究所は、これまで地域づくりの支援を行ってきましたが、平成23年度からは、次のような方針をより明確にして支援を進めています。
●地区・市・森協会が情報共有して地域づくりを進める。
●特に“声なき地区”(困っている地区)を重点的に支援する。
●研究員の派遣と共に、地域ごとの相談会などを開催する。
●地区住民や市職員などとOJT型の人材育成を進める。

このような地域づくりを進める上で重要な情報の共有のための道具として、昨年度から地区カルテの作成を進めてきました。特に今年度に入ってからは、まちづくり協議会や市の協力を得て、44地区のカルテ(第1次案)を作成することができました。

地区カルテの作成によって、丹波地域を広域〜地区で理解したり、地域づくりについて学ぶことができます。このような考えから、兵庫県立大学がカルテづくりに参加することになり、修士課程の学生5名が山南スタジオで合宿しながらカルテづくりを支援してくれることになりました。学生には、特に地区を自転車で回りながら、地域資源の写真を撮ったり、ヒアリングを行い、カルテに記入してもらっています。8月24日の初日には4新聞社の取材があり、翌日2新聞に記事が掲載されました。(PDF参照)

地区カルテは、案として完成させた後、各地区の点検を受けた後に完成させ、データと共に各地区へ配布し、活用していただく予定です。活用には次のようなことが考えられます。
 ●地区の住民が「地区の履歴と診断、計画づくり」に利用する
 ●地区の計画づくりなどに、他地区の取り組みを参考にする
 ●地区の地域づくりを簡潔に紹介する資料として活用する
 ●地区・市・森協会などが話し合う場合などに活用する
また、カルテは、数年ごとに更新をしていくつもりです。

県立大学の学生たちは、カルテづくりやフィールドワークを通じて多くのことを学んだようです。これらを地域に還元したいと、成果をまとめて、年度内に発表会を行いたいと言っています。同時に、丹波の森研究所も44のカルテから読み取れることをまとめて、ご報告できたらと考えています。