「反対多数により、本請願は否決」。委員長の言葉は、がつんと耳を通り抜け、宙にただよった。一瞬、どうつかもうかと思う間もなく「ああ、情けない。このような議員を持ったのだ」とおさめた。委員は9人、うち女性2人。
「川西市男女共同参画条例」の制定を求める請願は、女性議員を増やすことを目的とする「あしたをひらく女性の会」を中心に、女性の活動団体9グループが提出した。傍聴した仲間は、唖然とし言葉が出なかった。8席の傍聴席に入れず、控え室で聞いた仲間たちも、どんなに気落ちしたことだろう。
川西市は、他市のように男女共同参画課を持たず、子ども家庭課に押し込められ男女共同参画の実現がおくれている。
紹介議員の宮坂さんは、少子高齢社会に向けて男性も女性も人権が尊重される社会にするため、今こそこの条例が必要と熱く、おだやかに説明した.
厚生常任委員会の委員たちは、子どもと女性の問題と、とらえているようだ。議論はなく、一言ずつ発言して賛否を問うた。
請願に反対する一人の議員は「条例制定の意味が分かっているのか!」と他委員が発言中に席を立った。また一人は「今、何が問題か、何をしようとしているのか」と、請願主旨を読んだのか疑う。「紹介議員の宮坂さんの補足主旨はよく分かったが」と迷いながら反対する議員。「市民の全体が賛成でなければ、時期尚早」。「男女共同参画は理解しているが、条例は反対」と当選後離党した若い議員。5人反対、3人賛成、委員長は採決に加わらない。みんな、もっと広く、今の社会状況に目を向けてほしい。
26日、議会最終の本会議で、全議員による賛否がある。やっぱり、川西市議会議員も捨てたものじゃないと安心したい。
2013年9月20日 植田康子