思春期ひろば講演会(兵庫県立神出学園学園長 小林剛先生)

北風がビュウビュウと吹く、1月15日(土)の午前中、
フレミラ宝塚の3階、会議室で思春期ひろば講演会
(兵庫県立神出学園学園長 小林剛先生)が催されました。
本当に寒い日でしたが、会議室いっぱいの沢山の方々が
訪れてくださいました。内容はとても濃いものとなりました。

神出学園は神戸市西区の片田舎にある、不登校生徒を受け入れる
全国で唯一の公立フリースクールです。

神出学園の指導方針にはいくつかのテーマがあります。
一番大事な事は、「神出学園で元気になってから
社会にもう一度出ていこう」というものです。

これはイジメ等何かしらの要因があり、不登校になった子どもたちにとっては
とっても大切なことです。早く学校に戻ろうではなく、
じっくり神出学園で自然に接し、ひとに接し、まちに接していきます。
そしてのびのびと生活をして、こころの元気さを取り戻していくのですね。
そこから、次へのステップにつなげていこうという考え方です☆

言葉にするのは簡単なのですが、
実践するのは大変難しいかと思われます。
サポートする先生・スタッフさんたちの大変さ、そしてそんなフリースクールに
予算が出るのか、まち(地域)に溶け込んでいけるのか

神出の先生・スタッフさん方のご苦労は相当なものだったと思います。
現在では、その枠組みがシステムが出来ているのですね。
枠組みにとらわれない指導システムなのでしょうか
神出を訪れたほとんどの生徒が元気になって
もと居た社会に戻っていきます。
そして神出卒業後の新たなる生活にチャレンジしていくのです☆

神出学園では、現在卒業後のサポートにも力を入れています。
週に一日、卒業生が学園を訪れる日を設け、
専門のスタッフも居てくれて、卒業生たちの憩いの場・安らぎの場と
なっています。

こころは元気になっても、(もしくは元気になりきらずに2年間を終了し)、
すぐにはコンクリートのにおいのする社会には適応できない
ということは多くあるかと思われます。
そんな卒業生のために、学園に戻れる日を設けているのですね。
これは素晴らしいことだと思います!!
安心できる場、人、まちの風景が、コンクリ現代社会で疲れた気持ちに
リフレッシュさを与えてくれます。

また来週もがんばろうという気持ちになれるのですね☆

小林先生は夢を語りはしませんでした。
現在行っている、リアルな神出学園の取り組み
リアルな不登校・ひきこもり・教育を語ってくださいました。
そのなかでの神出の取り組みなのですね。
今(昨日もしたし、今日もするのです)、していることなのです。

神出に来ていない不登校・ひきこもりの子どもにたいして
親は教師は、どうすれば、どのような心持ちで向き合えば良いのか
それらについても語ってくださいました。

「安心して家に居れる」

「その子(親)を認めてあげる、けっして責めない」

「それは今は安心してひきこもれる、家は安全地帯」

「学校は本人さんと親と、親は学校や他の機関と関わり続ける」

なのですね。やさしい口調で、でも熱いハートで不登校生徒と
日々向き合っておられる小林先生。
講演終了後も、参加された方々から、沢山の熱のこもったご質問が
ありました。丁寧にお答えになる先生の姿が印象的でした☆

これまでの神出、これからの神出学園、進化する神出学園
ますますのご活躍をお祈りします。元不登校・ひきこもり当事者として。