本当にこんなものを食べるの?

今日は篠山市の福住に野草採りに行ってきました。
神戸大学農学部の学生たちと一緒に山菜取りとお料理、とても楽しい1日を過ごしました。自然の恵みを感じながら天ぷらやおしたしやお味噌汁をいただきおいしいおいしい、と連発!食べることやおしゃべりもお忙し!この模様は後日お知らせします。

下記の文は マナメッセ2号(1992年5月1日発行)より抜粋です。
まさに日頃思っていることが的確に書かれているので
抜粋させていただきました。

本当にこんなものを食べるの?薬づけの輸入食品は大丈夫か?

マナメッセ2号(1992年5月1日発行)より抜粋
文/原プロジェクト
写真/小山 博孝
イラスト/大久保 礼子

お米の輸入自由化をめぐって、議論が白熱している
でもそのことによって輸入食品の全体像が見失われそうだ

もう一度、輸入食品の問題点について
じっくりと見つめたい

なにしろわが国の食糧事情は輸入食品なしには考えられない
そのことでさえあまり知られていないのでは?

ましてや輸入食品のほとんどが薬づけであることも
私たちは食べることをやめるわけにはいかない

だからこそ輸入食品を含めた食文化そのものを見つめる
未来のために

わが国の食料自給率
欧米各国が、食料の自給率を高めていくなかにあって、食料輸入大国のわが国は、自給率を下げつづけている。
いわゆる和食と呼ばれるような料理でさえ、ほとんど外国の材料で成り立っている。

輸入食品のずさんな管理
港ではまるで廃棄物のような扱い

輸入食品は、まず港へ荷上げされる。空輸もあるが、やはりコストの関係で、船便の方が圧倒的に多い。
ところが、港では、その輸入食品の管理は実にずさんだ。風雨にさらされて何年経っているのかわからないものもある。

食べ物がなぜ野ざらしに・・・・・

横浜港ではこんなにたくさんの輸入山菜が野ざらしに
日本の輸入農産物の約3分の1が荷上げされる横浜港。
その横浜港では、たくさんの農産物が野積みされ、業者に引きとられるのを待っていた。

その状態は、右の写真に見るように惨憺たるもの。墓石となる原石の横に放置されていたり、外側の木製の箱が朽ちて内側のビニール袋が露出しているものもかなりある。

キュウリは、すでにカビている)。まるで廃棄物が捨てられているかのようだ。もちろんこれらは立派な商品で、食品メーカーが引き取り、私たちの食卓を飾ることとなる。

港湾関係者の話では、1年程度の野積みはまだいい方で、中には数年にも及ぶものもあるという。どんなに長期間風雨にさらされたとしても、何のチェックも必要ではない。水際の検査で合格しているものが、こうして積まれているからだ。何か釈然としないものを感じる。

なぜこのような野積みの状態で何年も放置されているのだろうか。その要因は、なんといっても、輸入業者が食品メーカーではないという点である。
商社が安い時期を見はからって、大量に買いつけておいたものなのだ。食品メーカーに対し売却できなければ、いつまでも野積みになっているわけである。

もちろん港にはたくさんの倉庫がある。しかし、倉庫で保管するとなると、野積みの3倍ほどのコストがかかる。それならば、多少使えなくなる部分がでてもかまわないということだ。

また取材を通してかなり危険に思われたことは、いとも簡単に容器のフタが外せることだ(3)。この野積みされた野菜のところまでは、港湾関係者でなくとも割合自由に入るこできる。
つまり、誰かが何かを混入させようと思えば、楽にできてしまうのである。今までそういった問題は生じていないが、かなり怖い話である。

こうした輸入野積み野菜の話は、このところ各マスコミでも取り上げられ、また港湾労働組合などによる港見学会も頻繁に行われるようになった。その結果として、野積みの場所が移動しつつある。
野積み野菜隠しが行われているようだ。ビルの屋上(5)やビルの片隅(6)にひっそりと置かれているものが多くなった。

一方、野積み野菜に対する批判をかわす方法のひとつとして、テント倉庫も建てられた。とはいうものの、冷暖房装置もないため、ただ風雨を避けたということでしかない。

夏などは、逆に温度が上昇し食品の保存にとって、野積みより劣悪な環境になるのではないだろうか。

さて、野積みにされていた野菜は、大半が塩漬けのもの。キュウリ、ナス、ショウガ、ラッキョウなどが中心で、ゼンマイやワラビ、筍といった山菜も多い。タイ、台湾、中国などの国名が、プリントされた容器が目につく。

食塩の殺菌力は、私たちが日常食物保存のために使用しているものである。しかし、1年以上経ってもその食品を腐らせないで保存できるかどうか、素朴な疑問がわき起こる。おそらく強力な防腐剤が使われているのではないだろうか。

それでも、一部腐敗しているものがあった。「山菜類は、かなり変色してしまったりもしているようですが、食品メーカーでは一度脱色してから着色して製品を作っているようですね」とは案内してくれた横浜港湾労組の人。

そういえば、山菜の漬物などでは、よく色落ちするものに出会うことがあるし、食堂でもショウガなど食べ放題なところもあるが、その理由が港にあったのだ。 

野積み野菜はこうして生まれ変わる

港で野ざらしにされていた輸入食品が、足利市で“ふる里名産品”に早変わり

港で野積みされていた山菜は、往々にして山菜の国内産地へと運ばれ、ふる里名産品に変身する。“そんな馬鹿な”と思われる読者もいるかもしれないが、論より証拠が右の写真(4)。

本誌編集部が、栃木県足利市郊外において発見したものだ。外の木箱はかなり黒ずんではいたもののMADE・IN・THAILANDや YOKOHAMAという文字は何とか読めた。中身はショウガ。そして近くの小さな工場の前には、洗浄中のショウガがあった(7)。

輸入食品がふる里名産品に化けてしまうことに対しては、どうも納得がいかないし、不当に思われる。ところが、公正取引委員会の定義では、“商品の内容に実質的変更をもたらす行為が行われた国”を原産国として、かまわないことになっているのだ。

例えば、米国などから輸入された玄ソバ(年間8万t弱輸入されている)が、長野でソバ粉にされ、製麺されれば、信州ソバと表示して何ら問題はないのである。
横浜の倉庫から出庫される玄ソバは、ほとんど長野ナンバーのトラックに積み込まれるという。
その他、落花生は千葉へと運ばれるそうだ。

このように、私たちは、輸入食品とは知らずにたくさんの輸入食品を食べてしまっている。輸入食品がそれ自体で悪いというわけではない。
ただ問題は、野積み野菜を含め、安全性の上から多くの疑問が投げかけられている点にある。

とりわけ、港で実際に検査されるものは、わずかに3〜4%。ほとんど書類審査だけで私たちの食卓に上ってしまうのだ。残留農薬や有害な添加物等のチェックは、業者自らが行う自主検査にまかせられているので、検査の品物と実物とが異なる場合もあるとか。不安がいっぱいだ。