私たちが食べたものは胃や腸で消化吸収されると、糖分として血液中に入ります。血液中に糖が増える、つまり血糖値が上がるわけです。すると脳から指令が出て、すい臓からインシュリンが分泌されます。

このインシュリンには血液中の糖を肝臓や筋肉に運び、身体を動かすためのエネルギー源として蓄える大切な役割があります。

ただし、肝臓や筋肉に蓄えられる糖の量には限界があります。血糖値がゆっくり上がれば、肝臓や筋肉に取り込まれた糖をゆっくりとエネルギーに変えることが出来ます。

ところが血糖値が急激に上昇すると、増えすぎた糖を減らそうとインシュリンが大量に分泌。その結果、肝臓や筋肉に糖を運ぶスピードが速まり、肝臓や筋肉で血糖を蓄えきれなくなります。

このとき余分な糖をインシュリンが中性脂肪に変え、脂肪細胞へと運んでしまうのです。そうして脂肪細胞がどんどん膨らみ、太っていくのです。

ということは逆に糖が脂肪として蓄積され太るのを防ぐには、インシュリンが一度に大量に分泌しないようにすればいいのです。

また、低インシュリン状態を保つと、グルカゴンというホルモンが、すい臓から頻繁に分泌されます。グルカゴンには肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンを分解してエネルギーに変える働きがあります。

それによって肝臓や筋肉のエネルギー貯蔵庫に余裕を作るので糖質があふれることなく、中性脂肪にはならないため脂肪細胞には蓄えられず、太らないようにしてくれます。

つまり、低インシュリンダイエットとは、「血糖値を低く保つことでインシュリンの分泌を抑え、脂肪の蓄積を防ぐ。」と同時に、「グルカゴンによって貯蔵エネルギーの分解を促す。」というダイエット方法です。

GI値とは?

低インシュリンダイエットのキーポイントになるGI値とは、グリセミック・インデックスの略で、それぞれの食品に含まれる糖質の量をもとに、血糖値を上げるまでのスピードを数値化したものです。

低インシュリンダイエットではGI値が高い食品ほど血糖値の上昇が速く、インシュリンの分泌量も多くなります。

反対にGI値が低いものほど毛とうちの上昇はゆるやかで、インシュリンの分泌の低く抑えられます。

低インシュリンダイエットでは、GI値60以下の食品を中心に食します。

低インシュリンダイエット中の食事の量はいままでと同じでOK。

■ 低インシュリンダイエットの成功する実践方法

1.低インシュリンダイエット中は主食を替える

 低インシュリンダイエット中はGI値の低い炭水化物を選ぶようにしましょう。精製度の高い
 白米より玄米、食パンよりもライ麦パン。うどんよりもそば。

2.低インシュリンダイエット中は高GI値の食品は避ける

 ジャガイモ・ニンジン・トウモロコシ、砂糖や穀物を使った菓子類。

3.低インシュリンダイエット中は酢をたっぷりととる

 酢は食物の消化吸収を抑え、血糖値の上昇をゆるやかにします。

4.低インシュリンダイエット中は乳製品を上手に食べる

 乳製品はGI値が低め。そしてタンパク質も豊富です。

5.低インシュリンダイエット中は食物繊維を豊富に摂る

 食物繊維は血糖値を下げてくれます。また便秘解消にも効果的。

6.低インシュリンダイエット中はGI値が低い食品も食べ過ぎてはダメ

 やっぱりなんでもそうですが、食べ過ぎたら意味がありません。