トマト飲料で血圧低下…土佐市など研究発表
脳卒中予防も期待
土佐市特産のトマトジュースの健康効果を説明する佐藤教授(右)(土佐市役所で)
高知県土佐市と県立大などは、市特産のフルーツトマトジュースを飲み続けた場合に、血圧を下げる効果が確認されたと発表、脳卒中や急性心筋梗塞などの予防も期待できるとの見解を示した。
調査に協力した市民のうち、高血圧の人の約6割の平均で最高血圧は10低下。
同大健康栄養学部の佐藤厚教授(生化学)は「トマトでこれほど下がった調査はなく、興味深い。より効果的な摂取法を探りたい」と意欲を見せている。
市は2008年10月、まちづくりについての研究を連携して進める協定を当時の県立高知女子大と締結。
09年6月から同市蓮池のトマト生産加工会社「池一菜果園」(池洋一社長)と3者で共同研究を進めてきた。
調査は、協力を希望した市民(主に40〜60歳代の男女)46人が対象。
約5か月半の間、毎日、血圧と体重、食事の記録を付けてもらい、1日置きにフルーツトマトジュース(150ミリ・リットル)を飲む期間と、全く飲まない期間を設けて数値を分析した。
すると、調査の開始時点と終了時点で、高血圧の11人のうち血圧が低下した人が7人おり、平均で最高血圧が154から144に下がった。
また、便秘が改善したという声も多く挙がったという。佐藤教授は「ジュースを飲むことと、日常的な運動を組み合わせることで、より効果がある」と予想し、再調査を行うという。
池社長は「おいしく、健康になってもらいたいという思いが成果として現れ、励みになった。
社内でも研究を進め、貢献したい」と意気込み、土佐市産業経済課は「市特産のフルーツトマトづくりが、さらに盛んなっていけば」と期待していた。
(2011年5月19日 読売新聞)