<マンガの食卓>
担当編集が語る マンガの「食」の魅力を語り尽くす何度も“おいしい”一冊
−−編集者として、この作品にかかわって興奮したこと、逆に大変だったことについてそれぞれ教えてください。
本書のプロフィール欄で明かしているように、著者の実家は大阪・梅田にある食堂なのだそうです。本書の編集が佳境を迎えたころ、私は知ることになりました。
ゲラを読みながら、食堂の片隅から客が料理を口に運ぶ姿をじっと見つめる少年のことを妄想しだしたら、本書の読み方が一変しました。
著者にとって“食べる”ということは、きっと切実な記憶とつながっているのです。数多の食シーンを鮮やかに読み解いていくバックボーンには、そういうところがあるのかもしれません。
大変だったことは思いつきません。著者は経験豊富な編集者なので、内容だけではなくパッケージや売り方に至るまでとても明確なアイデアを持っていました。
マンガ家の五十嵐大介さんにカバー装画を依頼することも、著者たっての希望でした。担当編集者としてはアイデアを具現化できるようにサポートしました。
−−最後に読者へ一言お願いします。
季節は、食欲の秋、読書の秋です。おいしいごはんの場の話のネタに本書をいかがでしょうか。そして本書を通してより多くのマンガとの出会いが生まれることを願っています。
NTT出版 出版本部 神部政文