根よりずっと栄養価の高いにんじんの葉

●根よりずっと栄養価の高いにんじんの葉

にんじん特有の甘みは、蔗糖とブドウ糖が含まれているためです。

カロチンのほかにもビ タミンは、B1、B2、Cを少量含み、カルシウム、鉄、リンも豊富です。

ただ、ビタミン Cを酸化する酵素アスコルビナーゼを含んでいるので、大根おろしとまぜたりすると、せ っかくの大根のビタミンCが破壊されてしまいます。この点は注意してください。

根だけ でなく、葉の部分にも栄養があります。たんぱく質は根の3倍、カルシウムは根の5倍、 脂質、含水炭素、鉄分、いずれも根より葉のほうが豊富に含んでいます。

スーパーなどで は葉つきのものは手に入りませんが、有機野菜を売る店などで手に入れた場合は、ぜひ捨 てずに利用したいものです。

きざんでしょうゆ煮にしたり、妙め物や揚げ物にもよく、や わらかい若葉は、さっとゆでておひたしにしても、おいしくいただけます。

年間を通して 出回っていますので、とくに旬はありませんが、秋から冬にかけてがいちばん味がよくな ります。

買うときのポイントは、色が鮮やかで、首の部分に青みや黒ずみのないものを選 びます。

先端が割れているようなものも避けたほうがいいでしょう。保存はむれないよう に水気をよくふいて、冷蔵庫に入れます。冬は室温に置いても長期の保存が可能です。

●常食すればガンの予防にもなる

にんじんを常食していると、かぜなどの細菌感染の予防になります。

これはにんじんに含 まれるカロチン(ビタミンA)が、のどや鼻の粘膜を丈夫にし、細菌に対して抵抗力を増 す働きがあるからです。

またカロチンには、血圧を下げる働きのあることも知られていま す。

料理の形で毎日食べるのが無理であれば、ジュースにして朝昼晩、3食ごとに飲むと いいでしょう。高血圧がしだいに改善されます。

最近の研究では、カロチンに抗ガン作用 があるともいわれています。
これはビタミンAが、体内の物質の酸化や変質を防ぐ役目が あるからです。

また、にんじんに含まれているリボフラビン(ビタミンB2)や葉酸にも 、抗ガン作用がありますので、毎日食べていれば、ガンの予防になりそうです。

●女性に最適、美容効果の高いにんじんジュース

ビタミンAは、夜盲症(トリ目)をなおし、視力を強化してくれます。

また、肌をなめら かにする働きがあるので、乾燥肌の人や皮膚の角質化が気になる人も、毎日にんじんジュ ースを飲むといいでしょう。

にんじんにヨーグルトとハチミツをまぜてジュースを作れば 、口あたりもよく、おいしく飲めます。

また、にんじん1本とりんご1個を合わせたジュ ースにしてもけっこうです。

葉は増血に、種子は利尿効果がある

ビタミンAは、血中の脂肪が酸化することを防ぎますので、高脂血症のある慢性肝炎に効 力を発揮します。

ビタミンAと鉄分は造血を促し、血行をよくするので、貧血ぎみの人は 、たくさん食べるようにするといいでしょう。

冷え症の人も、常食すると体が温まります 。
にんじんの補血効果は、虚弱体質の人や疲労回復にも役立ちます。

ただし、食べすぎる と、手や顔が黄色くなることがあるので要注意です。
葉を青汁にして飲めば、貧血の改善 にはいっそう効果的です。

葉だけでは飲みにくいので、小松菜や大根葉などとともに、く だものをベースにして作るといいでしょう。

にんじんに含まれるビフィズス因子は、腸の 働きを助けるといわれていますので、便秘の人は、毎朝コップー杯のにんじんジュースを 飲む習慣をつけましよう。

また、胃にもやさしい野菜ですので、ゆでたものや裏ごしした ものは、胃腸が弱っているときには最適の食べ物です。

腎臓病でむくみが出ているときは 、にんじんの種子6、〜12gを600mlの水で煎じたものを、1日3回服用します。

種子には、利尿効果があるので、むくみがひきます。

変わった使い方では、にんじんとかぶを1個ずつ、ミキサーにかけてつぶしたもので顔をパックし、約20分たったら水で流 します。

これはハンガリーに昔から伝わる、肌につやを与える美顔法です。