生まれてはじめて出会う味
母乳の中にはうま味がいっぱい
グラフは、母乳(7日目)、牛乳(生乳7日目)と昆布とかつお節からとった一番だし(京都の老舗料亭のだし)中の遊離アミノ酸の量を示しています。
母乳には遊離アミノ酸が豊富に含まれています。なかでもうま味成分のグルタミン酸は最も多く、母乳全体の遊離アミノ酸の半分以上を占めています。
一方、牛乳(生乳7日目)中のグルタミン酸の量は母乳にくらべると非常に少ないです。
また、母乳中には核酸系のうま味成分のイノシン酸も0.3mg/100ml含まれています。
赤ちゃんは生まれてはじめて飲む母乳でうま味と出会うのです。
そのうま味は一番だしに負けない強さがあります。 (一番だし中に多いヒスチジンは、かつおに多いアミノ酸で一番だしのわずかな酸味とコクに関与しているといわれています。)
図:母乳(7日目)、牛乳(生乳7日目)、一番だし中の遊離アミノ酸
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羊水の中にもうま味
羊水の中にもうま味成分のグルタミン酸が2.2mg/100mlも含まれています。 母乳にくらべると少ないですが、実は赤ちゃんは生まれる前からうま味を味わっているようです。
赤ちゃんはどの味が好き?
4枚の写真は、赤ちゃんがうま味、甘味、酸味、苦味を味わった時の表情です。
甘味ではおだやかな表情をし、酸味と苦味を加えたものでは顔をしかめます。
一方うま味(グルタミン酸ナトリウム)を加えた野菜スープを与えると甘味の時と同じようなおだやかな表情をします。
赤ちゃんも味の違い、うま味がわかるのですね。 母乳の風味(味とにおい)は、お母さんが食べた食べ物の風味の影響を受けます。
赤ちゃんはお母さんが食べたものにより、母乳を通して味の世界を広げていきます。
うま味
甘味
酸味
苦味!
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うま味
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甘味
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酸味
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苦味