記憶力に作用する「コリン食とは」

このところ物忘れが目立つようになりました。

物忘れとアルツハイマーは違うと聞いたのですが予防に越したことはありませんね。特にひとり暮らしのものにとっては、日頃の生活特に食と運動と睡眠ですね。
周りの人に迷惑をかけない日頃からの生活習慣が大切です。

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記憶力に作用する「コリン食」

コリンとは、脳内の神経伝達物質である「アセチルコリン」のこと。

記憶の中枢である海馬は、脳の中でも特に「アセチルコリン」が多く、「アセチルコリン」が不足すると記憶に障害が生じます。

実はこのアセチルコリンの原料となる「コリン」は、食品から摂取することができます。

つまりコリンを含んだ食品を多く食べることで記憶力が高まり、アルツハイマー型認知症を予防できる可能性があるのです。

コリンを多く含む食品は、卵、大豆、納豆、ナタネ、ヒマワリの種、豚レバー、ニシンなど。

これらはぜひ積極的に摂取するよう念頭におくといいでしょう。

特に納豆は優れた健康長寿食です。

納豆に含まれるメナキノン-7はビタミンK2の一種で骨粗しょう症を予防し

納豆キナーゼは血液をサラサラにして脳梗塞や心筋梗塞を予防するだけでなく

アルツハイマー型認知症の予防効果も確認されています。

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見直したい、青魚の健康効果

ボケずに115歳まで長生きされたヘンドリック・ヴァン・アンデル・シュパーさんというオランダ人女性がいました。

彼女の死後、ご自身の希望で脳が解剖されたのですが、驚くべきことに彼女の海馬(記憶の中枢)には萎縮がまったく認められなかったのです。

また、113歳のときに実施した認知機能検査でも正常でした。

そんな彼女の大好物は、ニシンとオレンジジュースで、ニシンは毎日1切れ以上必ず食べていたと言います。

ニシンのような青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が

豊富に含まれ、動脈硬化を予防する食品として有名ですが、アルツハイマー型認知症

の予防にも効果があるとして期待されてます。

日野原先生も肉よりも魚を多く召し上がるそうですし、日本人は魚を多く食べる民族

なので長寿とも考えられています。

青魚はアルツハイマー型認知症予防だけでなく、元気で長生きの基礎ともいえる

食べ物なのです。

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緑茶をよく飲む人はボケない!?
日本人になじみ深い緑茶も予防効果があるようです。

研究によれば、1週間に1〜4回緑茶を飲む高齢者は、緑茶をまったく飲まない高齢者に比べてアルツハイマー型認知症になりにくい、というのです。

この予防効果は、緑茶に含まれるカテキンにあると考えられています。
なかでも注目されるのが、脳内の活性酸素を分解する「エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)」という物質。

マウスを使った実験を行ったドイツの学者はEGCGがβアミロイド(アルツハイマー型認知症の原因物質)の毒性を減らしていることを報告しました。

ちなみに、この実験の緑茶の量は、人間にたとえると1日500mlになります。

さらに、カテキンには悪玉コレステロールを減らす働きもあり、動脈硬化の予防にも効果が期待できます。

高濃度のカテキンを含む緑茶を生活習慣病の患者さんに飲んでもらう研究では,

糖尿病やコレステロールのみならず、アデイポネクチンという動脈硬化を防ぐ善玉ホル

モンが増加する、という結果も出ています。

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予防のカギを握る日々の運動

運動することでアルツハイマー型認知症が予防できることは、多くの研究から分かっています。

ある研究によるとテニス、自転車、水泳などを週に50分する高齢者は、運動をまったくしない高齢者に比べて、アルツハイマー型認知症になる危険が25%も低くなっています。

また別の研究では中年期から運動を始めた人では認知症予備軍になる危険が39%低くなり、高齢期になってから運動を始めた人は32%減少しました。

さらに筋肉量の少ない高齢者ほど認知機能が低下し、アルツハイマー型認知症になりやすいという報告もあります。

なかでも注意したいのが、握力、胸の筋肉、腹筋です。握力が加齢によって低下するとアルツハイマー型認知症になるリスクが高まりますが、

ダンベル体操を週に1〜2回、これを1年間続けることで10%も認知機能が高まることが分かっています。

このように、運動をすることが重要であって、どんな運動をしても効果の差はほとんどありません。

ただし、中年期以降の方が激しい運動をするのは要注意。

活性酸素を増加させ、アルツハイマー型認知症予防には逆効果になってしまいます。

そこでおすすめしたいのはウォーキングです。

1日30分歩くだけでも十分。さらに「食べる」行為も実は立派な運動の1つです。1口30回噛むことを心がけましょう。