「幸せ度と寿命」を研究した、驚くべき結果!
“ごきげん”な人はどのくらい長生きする?
Q 喉が渇いたあなたの前に、水が半分入ったコップがあります。あなたは「もう半分しかない!」と考える“先回りタイプ”ですか、それとも「まだ半分ある」と考える“お気楽タイプ”ですか?
実は、どちらのタイプかで“寿命”の長さが変わるという研究報告もあります。“お気楽タイプ”の方が長生きだろうと想像はつきますが、では、どのくらい違うでしょう?
(1)2〜3年
(2)5〜6年
(3)8〜10年
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楽観的で“ごきげん”な気持ちを持ち続けている人は平均7.5年から10年長生きする、という研究報告もあります。
健康や病気の予防のために、食事に気をつけたり、意識的に運動を取り入れたりと、生活習慣に気をつかっている人は多いはず。
でも、同じ食事をして、同じような生活習慣を持っていても、心のありよう次第で寿命が変わるとしたら?
「幸せな人、前向きな人は長生きする」ことを科学的に検証
2011年2月、世界的に著名な科学雑誌『Science』に「Happy People Live Longer」(幸せな人は長生きする)と題した記事が発表されました。
これは、幸福度と寿命に関連する過去の複数の研究事例を総合的に分析したもので、「いつもポジティブでいることが健康で長生きするための秘訣」と結論付けています(Science;331,542-3,2011)。
しかも、驚くべきことに、先進国に住む多くの人で比較したところ、幸せを感じている人は、そうでない人に比べ、7.5〜10年寿命が長かった、というのです!
今年、「若年から喫煙を続けている人は平均約10年寿命が短くなる」という日本人に関する喫煙者の長期観察研究の結果が発表されましたが
(データ:BMJ,325,e7093,2012)、「ハッピー」は、これほど健康被害が甚大な喫煙の影響も帳消しにするくらい強力かもしれないということになりますね!
でも、「人の生活なんていろいろなんだから、一概にそんなこといえないんじゃないの?」という反論もあるでしょう。
そこで、前述の『Science』の記事の筆者は、以下のような研究を引いています。
米国ケンタッキー大学が行った修道院の尼僧180人を対象にした「幸せ度と寿命」に関する長期にわたる追跡研究です。
それによると、修道院に入所したとき幸せだと感じていた尼僧の寿命は93.5歳だったのに対し、あまり幸せだと感じていなかった尼僧の寿命は86.6歳と、約7年の開きがあったとのこと。
つまり、ほぼ同じような環境で暮らしていても、心の持ち様でやはり寿命には大きな差が出るといえるわけです。
仕事やプライベートで多くのストレスや悩みを抱える現代人。「くよくよしてもしょうがない」「明るく前向きに物事を考えよう」と思っても、なかなか自分一人ではできないのも事実。
だからこそ、友人をはじめとした周りの人たちの力を借りて、楽しい環境や機会をつくっていきましょう。孤独でないだけで、死亡率が下がるということもわかっています(Arch Intern Med;23,172,14,1078-84,2012)。
「昨年は色々あって大変だった」というあなた。
2013年は心機一転、プラス思考で前向きな1年にしたいですね。
◆心をマイナス思考からプラス思考に切り替えるには?詳しくは⇒こちら
http://www.kenbi-navi.jp/column/editors/post_24.shtml
※出題・解説=健康美容情報認定カリキュラム編集委員会