どうして魚が頭や体にいいのか?

どうして魚が頭や体にいいのか?

それは魚の脂にはDHAやEPAなどの体に良い成分が含まれているからと考えられている。

平山による27万人の調査では魚を食べている人と食べていない人では、前者の方が圧倒的にアルツハイマー病になる確率が低かった。アルツハイマー病の人の脳にはDHAが通常の半分しかなかったと言う報告もある。

スエーデンのカロリンスカ研究所によると、アルツハイマー病発病後亡くなった人の海馬中のDHAは、そうでなかった人の半分以下に減っていたと言う。

EPAには:

1.コレステロールや中性脂肪を減らす作用、
2.血液が凝固するのを防ぎ、血栓予防効果がある。
3.背中の青い魚に多い食事にイワシ、さば、アジ、サンマ、ニシン、タラ、などのイコサペント酸を多く含む魚を取り入れる。

DAH(ドコサヘキサエン酸)には:

1.学習記憶能力や情報伝達能力などの脳の機能におおいに関係し、認知症を予防する効果がある。
2.コレステロールや中性脂肪を下げ、動脈硬化を予防する作用がある。

魚の脂に含まれるEPAやDHAには、コレステロールを減らしたり、血圧を下げたり、あるいは動脈硬化を予防する働きがあることが知られている。

またEPAには、血液をサラサラにし、血栓ができるのを防ぐ作用がある。

血中リン脂質にEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸の多い地域ほど心筋梗塞の発生率が低い。

DHAの効果:アルツハイマー病の患者さん5名に毎日0,7から1,4gのDHAをとってもらった実験では5名全員に症状の改善が見られた。

DHAは1日に0,5から1グラムとると脳の若さを保てる。

マグロのトロに圧倒的に多く、刺身2切れでOK。ブリなら1切れ、さばなら半身。うなぎ、アジ、サンマなら1尾。イワシなら2尾。

EPA、DAHともに含む魚には、イワシ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、マグロ、サケ、ウナギなどがある。

コレステロール低下剤に認知症予防効果

血中のコレステロール値を下げ、心臓病や脳卒中を防ぐのに使われる薬が、アルツハイマー病の予防にも大きな効果を発揮するという説を、米国の研究者らが立証しつつある。

すなわちスタチン系コレステロール低下剤を服用することにより、アルツハイマー病にかかるリスクが7割近く低くなるとの報告もある。

これまでにも、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイド(ベータ・アミロイド)の沈着と血液中のコレステロール値との間に相関関係があることは指摘されてきた。

そこで、抗コレステロール薬であるスタチン系薬剤を服用している人ではアルツハイマー病の発症頻度が下がることが期待され、このスタチン系コレステロール低下剤は副作用も少なく、安全な薬とされていることから、アルツハイマー病予防への応用に期待がかかっているのです。

アルツハイマー病の予防に抗酸化物質が有効

アルツハイマー病は、食生活の改善(動物性脂肪の摂取を控える、野菜や果物などから抗酸化物質を含む緑黄色野菜、ゴマ、緑茶を摂取するなどにより、予防可能と思われる。

脳内のビタミンCビタミンEは脳が酸化(老化)するのを防いでいます。

これらの抗酸化ビタミンが分解されるのを長もちさせるのが、赤ワインの中のアンソシアニン、緑茶に含まれるカテキンなのです。

またDHA(魚などに多く含まれる)は、老人斑の形成を、40%減少させるという結果が分かっています。

アメリカでアルツハイマー病の患者さんを2つのグループに分け、ビタミンEを投与した群と投与していない群とに分け調査したところ、投与した群では症状の進行が抑えられ、投与していない群では症状が進行したという結果が出た。

これはビタミンEが持つ抗酸化作用によると考えられている。

日常生活を営むに際して、体内で発生した活性酸素(フリーラジカル)は、そのままほうっておくと細胞を傷つけることになる。

しかし通常、それを除去する酵素が働いていて、その害を防いでいるのである。その除去酵素を含めて、活性酸素の害を防ぐ物質をスカベンジャーと言い、その作用を抗酸化作用と言う。

つまり抗酸化作用とは、活性酸素の害を防ぐ作用である。ところが体内で活性酸素の量が増えたり、あるいはスカベンジャーの量が減ったりするような事態を生じると、発生した活性酸素を除去しきれなくなって、その結果、活性酸素の害を受けることになる。

年をとると、どうしてもスカベンジャーが減ってくるので、活性酸素の害によって細胞がダメージを受けることになり、そのせいで成人病になったり、あるいは老化が早まったりすると言われる。

ところで脳は体内で、最も多くの酸素を消費している組織であって、それだけ他の臓器にくらべて多くの活性酸素が発生しているところである。

ところが年齢とともにスカベンジャーの量が減ってきたりすると、脳の細胞は増えた活性酸素によりどんどん酸化され、働きが悪くなる。このことが脳の老化や、アルツハイマー病と関係があると考えられている。

そこでアルツハイマー病の予防には、スカベンジャーを含む食品を積極的にとることが大切である。

それにはビタミンEのほかに、ビタミンC、カロチノイド(カロチン、リコピン)、あるいはフラボノイド(カテキン)などがある。

ところでビタミンEを多く含む食品にはアーモンド、ヒマワリ油、アボガド、ウナギ、ピーナッツ、小麦胚芽、コーン油、シシャモ、サンマ、サバなどをあげることが出来る。