ヨーグルトで免疫細胞活性化

◇ヨーグルトで免疫細胞活性化

 吉田選手のように五輪で大活躍する一流アスリートが体を厳しく鍛(きた)えるのは、もちろん素晴らしいことだが、一般の人が同じように激しい運動をすることは、必ずしも免疫力アップにつながらないことも知っておく必要がある。

 運動と免疫の研究で知られる鈴木克彦・早稲田大学スポーツ科学学術院准(じゅん)教授によると、激しい運動をした後は、数時間から数日間にわたって免疫力が低下するということが、各種研究で分かってきたという。一部の運動選手が、強化合宿中に風邪などの感染症にかかりやすくなるのは、このためだ。

 免疫力を維持しながら健康を保つには、激し過ぎない「適度な」運動が一番だ。鈴木さんは「1日に2060分程度、ちょっと速足で歩くくらいの運動が良いでしょう」とアドバイスする。 

適度な運動に加え、バランスの良い食事も心掛けたい。吉田選手も大好きだという乳製品は要注目だ。

免疫の研究で知られる奥村康・順天堂大学医学部特任教授は「各種試験から、免疫細胞の活性を上げるR1乳酸菌入りヨーグルトを食べるのも良いだろう」と、腸の免疫機能を維持するヨーグルトの重要性を指摘する。

 運動や食事に気を配っても、精神的に強いストレスを抱えていると、健康維持は難しい。

イライラするだけでも血圧が上がるといわれる。うつ症状をはじめ心理的に強いストレスを持つ人は、こうした症状のない人に比べ、脳卒中や心臓疾患(しっかん)になりやすいという研究結果もある。

 「何事もくよくよせず、楽天的に物事を考えることが大事だ」と奥村教授。

昼夜逆転のような生活リズムは免疫力を落とすため、規則正しい生活スタイルを維持することも大切だという。【小島正美】

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 ◇奥村教授が勧める「免疫力を維持する生活習慣」

(1)よく笑う

(2)よく歩く

(3)くよくよしない

(4)趣味を持つ

(5)ほどほどに食べる

(6)夜更かしをしない

(7)楽天的になる

(8)人との交わりを持つ